長崎・野母崎でオオキンカメムシ 体寄せ合い仲良く越冬

葉の裏に集まって越冬するオオキンカメムシ=長崎市野母崎樺島町

 日本最大クラスのカメムシで色鮮やかな体色の「オオキンカメムシ」が、長崎市野母崎樺島町の山中に集団越冬している。大きな葉の裏で寒さを避け、仲間たちと体を寄せ合っている。
 長崎バイオパークの伊藤雅男園長(62)によると体長2~3センチ、濃いオレンジ色に黒い模様が特徴。冬場は悪臭も放たない。「南方系の昆虫で寒さに弱く、県内では佐世保、遠くはおそらく福岡、佐賀からも飛来している」という。15年前に発見して以来、観察を続けている伊藤園長。「野母半島は気温が高く、雪は降っても霜が降りない。常緑の木も多く越冬に適した場所」としている。
 寒さが厳しくなるにつれて数が増えるといい、11月上旬ごろからみられるようになった。伊藤園長は「ここに来れば寒さをしのげると分かっているのが不思議であり、すごい。仲の良い姿を優しく見守ってほしい」と話している。

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