青森県の死亡率 男女とも全国ワースト 2020年厚労省集計 がんなど最悪水準続く

 厚生労働省が5年ごとに集計している都道府県別の年齢調整死亡率(人口10万人当たり死亡数)によると、2020年の青森県の死亡率は男女ともに全国ワーストだった。県が1日、青森県分の概況を取りまとめた。悪性新生物(がん)、心疾患、腎不全など、全国最悪水準の疾患が引き続き目立つ一方で、急性心筋梗塞や脳血管疾患など、超急性期の疾患は順位に改善傾向がみられた。

 男性の死亡率は1554.0人で、前回15年に比べて114.3ポイント改善。女性は815.2人で、前回からの改善幅は62.0ポイントだった。死亡率ワーストは、男性が2000年から5回連続、女性が10年から3回連続。全国平均の死亡率は男性が1328.7人、女性が722.1人だった。

 死因別では、がんが男性でワースト、女性は同2位。心疾患は男女とも同3位で、前回順位(男性同6位、女性同16位)から悪化した。疾患以外では、不慮の事故(男性同2位、女性同9位)や自殺(男性同3位、女性同25位)も順位がそれぞれ悪化し、県は「平均寿命を大きく押し下げる要因」との見方を示す。

 一方で急性心筋梗塞の順位は男性が同24位、女性が同36位で、前回(男性同8位、女性同18位)から改善。脳血管疾患は、男性同5位、女性が同8位(前回は男性同1位、女性同3位)。依然として全国下位の水準にあるが、順位は改善傾向がみられた。

 県保健医療政策推進監の大西基喜医師は「一刻も早い医療措置が必要な超急性期の疾患は、救急医療体制の整備や早期対応が必要という意識の広がりなどが、順位の改善につながっている」と解説。その半面、「多くの疾患には慢性的な要因が関わる。死亡率を下げるためには生活習慣の見直しや早期受診の意識付けなど、成果が表れるまでに時間がかかる対策を継続するしかない」と指摘した。

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