従業員の髪色、服装自由に 個性重視、人手不足も背景

ドン・キホーテ中目黒本店の鈴木啓介さん=10月、東京都目黒区

 従業員の髪の色や服装を自由にする企業が増えている。多様な価値観や個性を重視する考えが広がり、人手不足も背景にある。ディスカウント店「ドン・キホーテ」の運営会社は2月、本社管理部門で髪の色を自由にした。店舗では昨年3月に既に自由化している。

 運営会社のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスで労務を担当する二宮仁美取締役は「さまざまな価値観の従業員が、自分らしさを保つことができれば実力を出せる」と話す。自由化は店舗側から提案があったという。

 回転ずし大手「スシロー」を展開するフード&ライフカンパニーズは11月1日に従業員の服装規定を改めた。髪の色や髪形を自由にし、イスラム教徒の女性が髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」の着用も可能にした。

 労働や雇用に詳しいパーソル総合研究所の小林祐児上席主任研究員によると、2005年のクールビズ導入以降、スーツにネクタイの画一的な様式が徐々に薄れ、多様な価値観を受け入れる土壌ができた。最近では、外国人労働者の増加がルール緩和を加速させている。

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