核兵器廃絶へ「方向性示した」 被爆者、日本不在に不満も

 【ニューヨーク共同】国連本部で開かれた核兵器禁止条約第2回締約国会議は1日、核抑止論からの脱却を国際社会に呼びかける宣言を採択した。議長が閉幕を告げると、各国からの参加者は立ち上がり拍手を送った。「核兵器によって命や地球が奪われることのないよう、方向性を示した」。渡米した被爆者らは歓迎する一方、「日本がいないことが本当に悔しい」と嘆いた。

 会議初日に議場でスピーチした日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の木戸季市事務局長(83)=岐阜市=は「第1回は設計図を描き、今回は土台をきちんと作り上げた」と評価したが、今回も日本政府が不参加だったことに「被爆者をつくらないとの願いに向かって世界が進んでいる時に、被爆国の政府がいないなんて」と憤った。

 被爆2世の佐藤澄人さん(75)=長崎市=は、原爆投下で家族4人が亡くなった。最終日は傍聴席で疑問に感じたことを書き留め、核保有国のロシアと核を事実上保有するイスラエルが紛争当事者になっていることを踏まえ「核兵器の使用を避けてほしいとの思いを感じられた」と振り返った。

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