ヨルダンに1億ドル支援表明 首相、ガザ情勢で連携

握手する岸田首相(左)とヨルダンのアブドラ国王=2日、ドバイ(内閣広報室提供、共同)

 【ドバイ共同】岸田文雄首相は2日(日本時間同)、訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)ドバイでヨルダンのアブドラ国王と会談した。ヨルダンがパレスチナ自治区ガザ情勢の影響で厳しい財政状況にあるとして、約1億ドル(約146億円)の財政支援を実施すると表明した。両氏はガザの人道状況改善と事態の早期沈静化に向けて連携すると確認した。

 日本は、イスラエルの隣国で同国と国交があるヨルダンは中東情勢で重要な立場にあると認識。緊張緩和へ協力を進めるためにも両国関係を強固にしたい考えだ。アブドラ氏は日本の支援に謝意を示した。

 首相は会談で「全ての当事者が国際人道法を含む国際法を順守しなければならず、民間人の被害を防ぐためにあらゆる措置を講じる必要がある」と指摘した。

 首相はドバイで記者団に、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘再開に関し「大変残念だ。人質の早期解放や状況改善へ外交努力を続ける」と語った。

 来年の先進7カ国(G7)議長国イタリアのメローニ首相らとも会談し、中東情勢を巡る連携を申し合わせる。

ヨルダンのアブドラ国王(右手前から2人目)と会談する岸田首相(左から2人目)=2日、ドバイ(代表撮影・共同)

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