八戸道死亡事故 ナット点検に不備/タイヤ脱落、緩み原因か

タイヤが外れた八戸自動車道の事故現場から、八戸北IC入り口付近まで移動されたトラック=1日午後7時23分、八戸市
タイヤ脱落による死亡事故を起こしたトラック運転手が勤める「盛運輸」本社=2日午後、青森市新町野

 1日午後、青森県八戸市の八戸自動車道で走行中の大型トラックからタイヤが脱落し、作業中の会社員男性に衝突して男性が死亡、男性の同僚が軽傷を負った事故を受け2日、トラック運転手(60)が勤務する「盛運輸」(本社・青森市)の盛大剛社長が東奥日報の取材に応じた。社内規定にあり、道路運送車両法にも定められている、出発前のナットの緩み点検などに不備があったことが事故原因として考えられると明らかにした。

 盛社長によると、運転手は同社社員で、岩手営業所に勤めて約2年半。1日は午後2時に出勤し、食品を載せる台車と少量の食品を載せ、盛岡市から八戸市へ向かっていた。高速道を下りる数分前に違和感を抱き、その後トラックが動かなくなったため脱落に気付いたという。

 盛社長は「出発前にナットの緩みがないかハンマーでたたいて確認する作業を怠り、目視のみで行っていた」と明かし、約2週間前に行った冬タイヤ交換時にナットが緩んでいた可能性があることや、交換後2、3日で行う必要があるナットの締め直しを行っていなかったことも要因と考えられると指摘。「早急に新しい点検方法を取り入れるなどして再発防止に取り組む」とした。

 死亡したのは八戸市東白山台3丁目、木村泰輔さん(32)。盛社長によると、死亡した木村さんとけがをした男性(63)は親子。盛社長は「事故を重く受け止めており、ご遺族の皆さまに大変申し訳なく思っている。手を尽くして向き合い対応していく」と話した。

 トラックは2017年に導入し、走行距離は約70万~80万キロ。最大積載量は約12.6トンでタイヤが12本ついており、左最後部のタイヤ2本が脱落した。

 県警高速隊は2日午前10時50分、八戸ジャンクション(JCT)-八戸北ICの上下線の通行止めを、事故捜査を終えたとして解除した。

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