<レスリング>ミハイン・ロペス(キューバ)が、あらためてオリンピック5連覇への姿勢を示す

来年のパリ・オリンピックで前人未到のオリンピック5度優勝の期待がかかる男子グレコローマン130kg級のミハイン・ロペス(キューバ)が、オリンピック専門サイト「Olympic com.」のインタビューに、11月のパンアメリカン大会(チリ)を棄権した理由を話し、あらためて偉業を目指す姿勢を示した。

▲世界のスポーツ界で不滅の金字塔となる記録に挑戦するミハイン・ロペス(キューバ)=UWWサイトより

ロペスは同大会のアンバサダー(組織から任命され、公式に広報普及活動を行う人)に任命されるとともに、2021年東京オリンピック以来の復帰戦と明言していた。そのためのトレーニングは続けていたが、9月に父親が亡くなり、「あることと別のこととを組み合わせることができませんでした。気持ちが盛り上がらず、試合に臨む意欲を感じませんでした」と説明。

周囲から期待されているだけに、「その状態で試合に出場することはできなかった」と話した。1月には本格的な練習を再開予定とのこと。来年2月のパンアメリカン選手権(メキシコ)が復帰戦となるか、ぶっつけ本番でパリ・オリンピックへ臨むかは明言していない。

なお、同級は今年9月の世界選手権(セルビア)でオスカー・ピノ(キューバ)が3位に入賞し、パリ・オリンピックの出場枠を獲得している。同選手はフリースタイルもこなす選手であり、出場枠をロペスに譲ってフリースタイルでパリを目指すことが予想されている。

これまで、夏季オリンピックの個人同一種目で4個の金メダルを取った選手は、下記の7人。

ポール・エルブストロム(デンマーク)=ヨット・男子フィン級 / 1948~60年
アル・オーター(米国)=陸上・男子円盤投げ / 1956~68年
カール・ルイス(米国)=陸上。男子走り幅跳び / 1984~96年
※ベン・エインズリー(英国)=セーリング・男子レーザー級、フィン級 / 2000~12年
マイケル・フェルプス(米国)=競泳男子200m個人メドレー / 2004~16年
伊調馨(日本)=レスリング・女子63・58kg級 / 2004~16年
ミハイン・ロペス(キューバ)=レスリング・男子グレコローマン120・130kg級 / 2008~21年

※レーザー級とフィン級は明らかに違う種目であり、「同一種目4連覇」と見なさない媒体が多い。「ヨット」は「セーリング」の旧称

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