袋田バイパス全線開通 茨城・大子 着手33年、渋滞緩和期待

国道118号「袋田バイパス」の全線開通をテープカットやくす玉割りで祝う関係者=大子町北田気

茨城県が大子町で整備を進めてきた国道118号「袋田バイパス」が2日、全線開通した。未開通区間の約1.3キロ区間の工事が完了し、開通を祝う開通式が同日、同町北田気で開かれた。関係者計160人が駆け付け、事業着手から33年を経て完成した悲願を祝った。

同バイパスは同町袋田から北田気までの3.6キロ。従来の国道が行楽期の観光シーズンに、日本三名瀑(めいばく)「袋田の滝」に通じる交差点付近を中心に大規模な交通渋滞が発生していたため、これを避けるルートとして、渋滞緩和になると期待される。

福島県や町中心部方面~水戸方面の双方向の通行者、観光客にも利便性の向上につながる。2019年の東日本台風(台風19号)の際には、久慈川の増水で川沿いの国道が冠水し通行止めになった経緯もあり、バイパスそのものが緊急輸送道路としての機能を担う。

式典には、梶山弘志衆院議員ら国会議員、大井川和彦知事、石井邦一県議会議長らが参加。大井川知事は「橋梁(きょうりょう)の難工事などがあり、国の国土強靱(きょうじん)化計画による加速を経て今日に至った。県北の観光地づくりが一層加速してほしい」とあいさつ。

梶山氏は「一本の道の完成は、地域住民の生活圏に大きな影響を及ぼす。観光業、商工業など町の発展につながることを期待する」と述べた。渡り初めを町立大子中の生徒による吹奏楽演奏が盛り上げ、地元団体のよさこい演舞が花を添えた。

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