「マジで今ずっと打撃に打ち込む」レギュラーへ覚悟 広島カープ 矢野雅哉「守備・走塁では小園海斗には負けていない」

来シーズンに向け、人一倍の信念を持って練習に挑む選手の姿がありました。広島カープの 矢野雅哉 です。

プロ3年目の今シーズン、着実なステップアップを果たし、93試合に出場。特にトレードマークのパンチパーマに加え、チームの窮地を救う守備で存在感を示しました。

広島カープ 矢野雅哉 選手
「打球傾向であったり、そういう考える能力とかは自信があります。守備能力でいったら、まだまだ真ん中とか、そんな上に行けないですけど、左右に振られたときにいいプレーが出ているってことは、その前に何かしらの自分で行動しているというのが絶対あるので、そこの考え方だと思います」

特に印象的だったのは9月30日の阪神戦。一打出れば同点の場面でスーパープレーは飛び出しました。体の反射で動きながらも、しっかり考えたうえで成しえたプレーだったと振り返ります。

矢野雅哉 選手
「あれは、(打球が)上がった瞬間もノーバウンドでは捕れないという判断で、追っている最中に栗林(良吏)さんが飛び込んでくるっていうのが見えたので、自分、一瞬止まってバウンドがこっちにはねてしまったので、もう手でいくしかないと思って投げたという感じです」

今シーズン、得た経験値を確実に自分の糧とするため、汗を流すキャンプ(日南・先月)ですが、それだけにとどまりません。ふだん、チームの “いじられキャラ” のイメージがある矢野も、若手中心キャンプの今回は自身の経験をさらに後輩へ継承していく心づもりです。

矢野雅哉 選手
「ほかの人と比べても、より多く声かけとかをやるようにはしています。ことし1年間、ずっと1軍にいさせていただいて、いろいろ気づいたことも、感じたこともたくさんありましたし、それを自分がやっていかないとっていうのも少し自分中にあるので」

多くの経験を得た今シーズン―。ただ、その経験とともに、自身の課題もより明確なものとして浮かび上がりました。

矢野雅哉 選手
「得るものっていうか、自分の課題というか、それが見つかったかなっていう。いや、もう自分が打てれば絶対、出られるっていう…。守備・走塁は 小園(海斗)には負けていないって自信もありますし、あとはバッティングはすごく差があるので、そこをどれだけ縮められるかっていうことで結果は変わってくるかなと思います」

課題と話す「バッティング」―。出場機会を得ながらも成績を伸ばすことができなかった自分にふがいなさを感じているといいます。

さらに、この課題を痛感させられたのか、クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージ。ベンチ入りするも、矢野がグラウンドに立つことはありませんでした。

矢野雅哉 選手
「阪神戦のクライマックスで3試合あって1試合も出られなかったっていう。なんか何も役に立てなかったとか、何もできなかったっていうのが、クライマックスが終わってからもずっと自分の中でモヤモヤ感があって…。くやしいのかもわかんなくて、それがずっと引っかかっていて、キャンプに入る前に自分の課題とかもう一度、見つめ直して、ことしよかったところとか課題とか、いろいろ見つめ直した中でより意識が高くなった。『レギュラーになりたい』っていう…。去年、ことしのシーズン中も高かったんですけど、その、もっとはるか上の意識になったっていうか…」

力になれることすら証明できなかったファイナルステージ。自分の壁を乗り越えるために必要なのは自身の努力のみ。逆襲のシーズンへ―。矢野の戦いはすでに始まっています。

矢野雅哉 選手
「マジで今ずっとバッティングに打ち込んでいるので、それしか考えていないですね、今。(レギュラーに)ならないとダメです」

◇ ◇ ◇

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
楽しみです。そこまでやっぱり自分の課題がわかっているってことだと思いますし、打力が伸びてくれば、本当に本人も言っていたように小園海斗選手と張れる。そうなればチーム力も上がりますし、あと、日南キャンプ中に首脳陣にレポートを提出した。あれで文字にしたっていうことで、より自分と向き合える時間を作ったんじゃないか、それも首脳陣の狙いの1つだったと思うんです。それもうまくはまってるんじゃないかなと思います。

青山高治 キャスター
そう感じるぐらい、本当にCSもくやしかったんでしょうね。

天谷宗一郎 さん
そうですね。そのくやしさを糧にしてほしいなと思います。

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