笑顔でおはよう!留学生が交通安全運動 別府翔青高のフラピエさん、毎月2回登校前に活動【大分県】

地域に溶け込みながら日本での暮らしを楽しんでいるオセアン・フラピエさん=1日、別府市石垣西
地域の交通安全を守るオセアン・フラピエさん

 【別府】別府市の別府翔青高に通うカナダ出身の留学生、オセアン・フラピエさん(18)が地域の交通安全運動に励んでいる。毎月1日と20日、朝の登校前の時間を活用して交通量の多い石垣西の交差点で通勤、通学する人たちに声をかけ、爽やかな朝を届けている。

 1日は冷え込みから体を丸めながら通勤、通学する人が目立った。フラピエさんは横断歩道を渡る人を確認すると、「横断中」の旗を素早く差し出し、「おはようございます」と笑顔で声をかけた。

 フラピエさんは高校生の留学を支援する「AFS大分支部」を通じて3月から別府市で生活している。妖怪の伝説に興味を持ったことから日本への留学を決めたという。支部長を務める広田雅代さん(57)宅=石垣西3丁目=で暮らしながら、学校生活を楽しむ。

 好奇心旺盛で地域行事にも積極的に参加。県交通安全協会別府支部境川地域分会での活動は6月から始め、顔なじみの地域住民も増えた。石垣東3丁目自治会の郷司義明会長(82)は「日本に来て地域になじんでいる姿に驚いている。高齢化が進む中、若い力はありがたい」と話す。

 運動会や盆踊りなどの行事を若い力で盛り上げる。公民館のオカリナ教室にも通い、文化祭のステージにも立った。たまに行く温泉では初対面の人とも気軽に会話するなど、日本語はめきめきと上達している。

 異文化を体いっぱいに吸い込み、成長を続けた留学生活もあと2カ月。フラピエさんは「交通安全運動でみんなが笑顔になってくれるのがうれしい。カナダにない文化を体験するのは本当に楽しい」。広田さんは「これほど地域に溶け込む留学生も珍しい。日本で迎える年末年始も控えている。残りわずかだが、新しい出会いや体験を大切にしてほしい」と話している。

© 有限会社大分合同新聞社