大分県内の消防団員1万3407人、減少続く 自治体OB活用、県はSNSでPR【大分県】

県内の消防団員の平均年齢(上)と団員数

 地域防災で大きな役割を担う消防団員の減少が続いている。総務省が公表した調査結果で、県内は前年から348人減の1万3407人(4月1日時点)。この10年で2千人以上減った。県消防保安室は「大変厳しい状況」として、インターネットの動画配信などでPRと勧誘に努めている。

 同室によると、県内の団員数は記録の残る1970年(2万4388人)から年々減少。少子高齢化を背景に平均年齢は上昇し、今年は45.7歳になった。各市町村の条例による定数は計1万5778人で、充足率は85%だった。

 各自治体は対策を進める。中津、竹田、佐伯など8市は、昼間だけでも出動できる人を「機能別消防団員」として登録している。現役世代が仕事でいなくなることが多い地域などを、定年になった団OBらで補っている。

 広報・啓発活動を中心とした女性団員は10年前の244人から倍増し、17市町で計503人となった。火災や災害現場に出動する人もいる。

 県は新たな団員の獲得を図るため、昨年2月から消防団の役割や活動をPRする動画の配信を始めた。本年度はインスタグラムなどの交流サイト(SNS)で広告を流してアピールしている。

 自然災害が頻発化する中、救助や行方不明者の捜索活動に当たるなど団員の重要性は増している。県消防保安室の姫野智代室長(53)は「市町村と連携を密にし、活動への理解促進や多様な人材の参画促進に取り組んでいきたい」と話している。

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