海がないなら造ってしまえ…海なし県埼玉の「サバ養殖場」 アニサキスの心配なく生食可 知事が視察

サバの養殖場を視察する大野元裕知事=1日、埼玉県神川町渡瀬

 大野元裕知事が埼玉県内各地の現場を訪問する「ふれあい訪問」が1日、本庄市と神川町、寄居町の1市2町で行われた。知事は訪問先で視察し、関係者らと意見交換した。

 神川町渡瀬の「温泉道場おふろcafe白寿の湯」は2021年10月に温泉施設の隣で、サバの陸上養殖を開始した。今年6月に約150尾を初出荷。養殖場は完全閉鎖の循環式で寄生虫の心配もなく、安心してサバを生で食べることができる。

 知事は養殖場に置かれた成魚と稚魚が別々に泳ぐ高さ1メートルの20トン水槽を視察した。サバは1年半の養殖期間が必要になる。白寿の湯支配人の鎌田奈津実さんは「より早く育てるために餌の研究開発を進めています」と説明した。

 場所を移動して意見交換した知事は「数ある魚の中でサバにしたのはなぜですか」と質問。鎌田さんは「埼玉県に海がないなら海を造ってしまえば興味をもってもらえる。陸上養殖で価値が高くなると考えたのが、お刺し身で食べられるサバだった」と答えていた。

 知事はこのほか、本庄市小島南の沖電気工業本庄工場H1棟と寄居町藤田の「埼玉療育友の会 埼玉療育園」も訪れた。

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