消防士の防火服→エプロンに さいたまで“アップサイクル”製品など展示 市内障害者施設で製作 5日まで

防火服を再利用してつくられた製品が並ぶ作品展=1日、埼玉県さいたま市大宮区の市民会館おおみや(レイボックホール)

 埼玉県さいたま市内の障害者施設が作った雑貨や食品を販売するオンラインショップ「サデコMONOがたり」の作品展が5日まで、大宮区の市民会館おおみや(レイボックホール)で開催されている。消防士の防火服をエプロンなどに再利用したアップサイクル製品などが展示されている。

 市障害者総合支援センター、公益財団法人埼玉デザイン協議会(SADECO、川口市)が主催。オンラインショップは2021年6月に市とSADECOが協力して開設。商品は全て障害者施設で作られ、アップサイクル製品、雑貨、焼き菓子やゼリーなどの食品を販売している。

 アップサイクルは端材や廃棄材に新たな価値を加え再利用する仕組み。リニューアルに伴い廃棄されていた市消防局の防火服は、エプロンや水筒カバー、いすなどに再利用され、来年春の商品化を予定している。ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの懸垂幕は、メッセンジャーバッグなどに生まれ変わった。

 見沼区の障害者施設「やどかりの里 すてあーず」では、懸垂幕の縫製などを行った。代表の宗野文さん(48)は「いつも同じ商品を作るだけでなく、新しい商品はとても刺激になり、施設の人のモチベーションにもつながる」と話した。

 SADECOは市内の障害者施設にデザイナーや弁理士などを派遣し、デザインや商品の売り出し方のアドバイスを行っている。代表理事の竹田良雄さん(71)は「まだ支援のできていない施設がたくさんある。SADECOの取り組みを知るきっかけになったらうれしい」と話した。

 会場は同館4階の展示室1.2で、SADECOメンバーの作品展も同時に開催している。入場無料。午前10時から午後7時まで(4日は午後5時、5日は午後3時まで)。

 問い合わせは、市障害者総合支援センター(電話048.859.7255)へ。

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