盛岡言葉で紡ぐ文士劇が幕開け 作家の朝井まかてさん初登場

時代物「剣と恋と夢」を熱演する文士たち=2日、盛岡市松尾町・盛岡劇場

 年末恒例の盛岡文士劇(実行委会長・三浦宏岩手日報社相談役)は2日、盛岡市松尾町の盛岡劇場で開幕した。28回目で、実行委によると国内最多上演の文士劇に。約500人の観客が熱演を楽しんだ。

 時代物「剣と恋と夢」は名作戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を新撰組の物語に落とし込む意欲作。討幕運動が勢いを増す激動の時代、隊士たちの恋模様をおかしくも切なく描く。ステージでは岩手ゆかりの作家たちのほか、初登場の朝井まかてさんも存在感を示した。

 現代物「空とぶ布団と花束と」は一関市出身の作家内海隆一郎さんの短編が原作。定年を迎えた主人公、離婚した妻、そして娘らとの心の交流が、温かみある盛岡言葉で紡がれた。

 最終日の3日は昼夜2回公演でチケットは完売。舞台の模様は来年1月3日、IBCテレビで放送する。

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