「蒙古襲来」テーマに企画展 対馬市交流センター 1月8日まで

元寇関連の遺物が並ぶ企画展=対馬市交流センター

 対馬市厳原町の対馬博物館で開催中の特別展「発掘された日本列島2023」に関連し、同町の市交流センターで、鎌倉時代の「蒙古襲来」をテーマにした企画展が開かれている。松浦市の「鷹島海底遺跡」から引き揚げられた遺物などの史料が並ぶ。来年1月8日まで。入場無料。
 県が本年度から松浦、対馬、壱岐の3市と取り組む「我がまちの元寇再発見事業」の一環で開いた。
 対馬市厳原町には、1度目の蒙古襲来「文永の役」(1274年)で、蒙古軍上陸の地とされる小茂田浜がある。企画展では、同町の下原地区で出土した中国産や国産の鎌倉時代の土器、陶磁器片などを紹介。文永の役との関連はまだ断定できていないが、同時期の物証が見つかった意義は大きいという。
 松浦市の鷹島海底遺跡から見つかった、蒙古軍のものとされる砲弾「石弾」や、船に積んでいた「磚(せん)」と呼ばれるれんが材なども展示。3市での発掘調査の成果などをまとめたパネルも並んでいる。
 県教委学芸文化課の担当者は「蒙古襲来と各地域のつながりを知るきっかけになれば」と話した。県教委などは来年1月27日、再発見事業の成果を報告する公開シンポジウムを、長崎市の長崎歴史文化博物館で開く予定。

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