救援右腕ロバート・スティーブンソンに少なくとも4チームが興味

FAのリリーフ投手市場において、意外な選手が人気を集めている。レイズからFAとなった30歳の右腕、ロバート・スティーブンソンだ。「MLBネットワーク」のジョン・ポール・モロシ記者は先日、カブス、エンゼルス、ドジャースの3チームがスティーブンソンに興味を示していることを報じていたが、新たにオリオールズも関心を寄せていることが判明した。ジョシュ・ヘイダーのようなビッグネームではないが、現時点で少なくとも4チームによる争奪戦となっているようだ。

スティーブンソンは8年間のメジャー生活で通算271試合に登板して17勝20敗3セーブ、39ホールド、防御率4.64を記録。もともとレッズでエース候補として期待されていた元プロスペクト(若手有望株)だが、先発投手としては大成できず、2019年からリリーフに転向した。それ以降の5シーズンのうち、60試合制の短縮シーズンだった2020年を除いて毎年49試合以上に登板しているが、防御率は今季の3.10がベスト。2点台をマークしたシーズンは1度もない。では、なぜスティーブンソンがこれほど人気を集めているのだろうか。

最大の要因は今年6月にレイズへトレードされたあとの好投である。パイレーツでは18試合で防御率5.14に終わったスティーブンソンだが、6月に2020年ドラフト全体37位指名のアリカ・ウィリアムスとのトレードでレイズに加入すると、一流のリリーバーへ大変身。移籍後の4ヶ月で42試合に登板して38回1/3を投げ、3勝1敗1セーブ、9ホールド、防御率2.35、奪三振率14.09、与四球率1.88、被打率.138、WHIP0.68という素晴らしい成績を残した。他球団はここに目をつけたというわけだ。

これまでにも他球団で埋もれていた選手を重要な戦力に変貌させてきたレイズだが、スティーブンソンはその最新作と言える。移籍前後の変化はデータサイト「ベースボール・サバント」を見れば一目瞭然だが、投球の軸となる球種をスライダーからカッターに変えている。スライダーを高速化、なおかつ変化幅を小さくしてカッターに改良し、そのカッターが被打率.101と威力を発揮したのだ。BABIP.197という数字が示す通り、ツキに恵まれていた部分があることも否めないが、移籍前後で別人になったということだけは間違いないだろう。

レイズ移籍後のパフォーマンスを維持できるのであれば、十分にクローザーも務まるレベル。意外ではあるものの、スティーブンソンが人気を集めているのは決して不思議なことではないのかもしれない。なお、移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」ではFA選手ランキングで27位という評価を与え、契約規模を4年3600万ドルと予想している。

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