日本側回収の残骸、米に引き渡し 屋久島沖オスプレイ墜落

米海軍の原子力空母カール・ビンソン=11月21日、韓国・釜山(聯合=共同)

 鹿児島県・屋久島沖の米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故で、第10管区海上保安本部(鹿児島)は3日、海保が回収した機体の一部を米側に引き渡したと明らかにした。屋久島町も地元漁師らが集めた残骸を引き渡した。日本の捜査権を制限する日米地位協定が根拠だが、最大の物証である機体の残骸を手放すことで、日本側による原因究明は事実上、不可能となった。

 海保関係者は「地位協定により、米側から要請があれば応じざるを得ない」と述べた。屋久島町の港では3日、海保の船から残骸が陸揚げされ、米軍が拠点とする倉庫に搬入された。

 米空軍は2日(現地時間)、7人の行方不明者の捜索に原子力空母カール・ビンソンを派遣していると明らかにした。死亡が確認された搭乗員の身元を、沖縄県の嘉手納基地が拠点の第353特殊作戦航空団を支援する部隊所属のジェイコブ・ガリハー軍曹(24)と公表した。

 鹿児島県・奄美大島の奄美空港には2日に続き3日も、沖縄県の米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが救難活動のために飛来した。

米空軍のCV22オスプレイが墜落した現場海域を捜索する海上自衛隊の艦艇=3日午前7時30分、鹿児島県・屋久島沖

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