日本防災士会で経費流用か 兵庫県の元西宮市議、役員時に私的飲食

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 全国の防災士でつくるNPO法人・日本防災士会(東京都)の副理事長だった兵庫県の元西宮市議(75)が、在任中に経費を不正に使った疑いがあるとして、法人が調査を始めたことが関係者への取材で分かった。法人のクレジットカードを私的な飲食などに使ったとされ、約63万円を返済したが、内部監査で他にも目的外とみられる利用が見つかった。

 関係者によると、元市議は2017年に副理事長に就き、今年4月末で退任した。在任中に「経費の使い方がおかしい」との声が内部で上がり、事務局はカード利用の約63万円を「不適切」と判断した。

 さらに9月の監査で、元市議がカードを持っていた昨年11月~今年3月の利用総額約206万円のうち、返済分以外にも目的外と疑われる利用があった。法人は10月に検証委員会を立ち上げ、元市議の領収書や書類を精査。23年度中に結論をまとめるという。

 元市議は神戸新聞社の取材に「女性事務員を激励するため食事に連れていったり、外部との交際に使ったりした」と釈明。一方で「どれも組織を活性化させるためにしたこと。一部返済したが、不正とされるのは納得できない」としている。

 日本防災士会は10年に設立され、会員は約1万人。理事長は室崎益輝(よしてる)・神戸大名誉教授が務めている。(山岸洋介)

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