レッドブルF1のペレス、アブダビテストで大きな収穫「もっと早くこの作業ができていたらシーズンが大きく違っていた」

 2023年F1最終戦後にアブダビで行われたタイヤテストに参加したレッドブルのセルジオ・ペレスは、この日のプログラムをもっと早い時期に行う機会があったなら、自分のシーズンは違うものになっていたと語った。

 最終戦アブダビGP後の火曜日に、毎年恒例のテストデーが設けられ、各チームは1台を若手ドライバー用、もう1台はタイヤテスト用に走らせた。しかし、2024年のコンパウンドは今年と同一のものが使用されることが決まったため、チームにとっては2023年型マシンで来年に向けたデータ収集を行う場となった。ドライバーたちはさまざまなセットアップでマシンのスイートスポットを探す機会を得たが、これはグランプリの週末には決して行えないことだった。

 テストがあまり好きではないことをオープンに認めているペレスだが、2レース分の距離を越える117周を走行した後、この日の作業に満足した様子だった。

「とてもポジティブな一日だった。この手のテストは面倒なものである一方で、多くの学びがあり、生産的でもある。時間をかけるのはいいことだし重要だ。充実した一日だったよ。とりわけレースやあらゆることが終わった後なので、とても新鮮だった。特に午後はグランプリと似たコンディションだったため、とても生産的なテストになり、来年に向けて有用な情報を集めることができた。全体的に見て、1年のよい締めくくりになったと思う」

2023年F1アブダビテスト セルジオ・ペレス(レッドブル)

 ペレスは、自分により適したRB19の基本セットアップを見つけ出したようだ。彼は、チームメイトのマックス・フェルスタッペンの好みよりもアンダーステア寄りでリヤの不安定さが少ない状態を好んでいる。

「チームとこのような一日を持てることはとても重要だ」とペレスは認めた。「宿題を得て、これから生産的に取り組んでいけるからね」

 新しいコンパウンドのテストは行われなかった一方で、チームとしてはシーズン中に使われなかったパーツの試用は1周でも認められないため、ペレスはエンジニアとの作業に集中することができた。チームのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェが現地に残っていたことが、このテストをレッドブルがどれだけ重要視していたかを示している。

「エンジニアにフィードバックを返すことができるのはいいことだ。冬に向けて有用な情報を得ておくことは、いつだって役に立つので、今日は僕たちにとって充実した一日だった。僕たちは良いデータを集めて持ち帰ることができると思うよ」と、ペレスは語った。

 もしシーズンの早い段階でこうしたテストデーを過ごせていたら有益だったかと尋ねられたペレスは、次のように答えた。

「そう、かなり違っていただろうね。確かに今のF1ではテストが全然できないし、グランプリでは時間やタイヤのこともあって、できることがかなり限られている」

 今回のテストを肯定的にとらえたペレスは、「困難なシーズンだったことに対して感謝の気持ちを持っているんだ。おかげでマシンやレッドブルの哲学について多くのことを学んだし、マシンコンセプトについても深く理解することができた。このことが来年報われるよう願っているよ」と締めくくった。

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