25年に一度の「菅公大祭」へ、みこしを修復していたら… 300年以上前の年号記した墨書見つかる 兵庫・姫路

2025年の「菅公臨時大祭」に向け、修復が進む英賀神社の神輿=姫路市白浜町(同神社提供)

 25年に一度だけ催される英賀神社(兵庫県姫路市飾磨区英賀宮町2)の「菅公臨時大祭」に向け修復中の同神社の神輿(みこし)から、300年以上前の元禄年間(1688~1704年)の年号を記した墨書が見つかった。神輿が造られた時期を示すとみられ、市教育委員会文化財課の担当者は「市内で現存する神輿では、確認できる中で最古になる」としている。(森下陽介)

 英賀神社の菅公大祭は、室町時代初期に三木通近(みちちか)が英賀城主となり、同神社に天神を祭ったことが起源とされる。本宮では、普段はめったに見られない神輿3基が繰り出し、神社北のお旅所で屋台練りや獅子舞を奉納する。

 2025年10月17、18日の次回大祭に向け、同神社は同市白浜町の「毛利工務店」に神輿の修復を依頼。今年9月に作業が始まると、3基の屋根や柱から年号や大工の名前などの墨書が見つかった。

 11月中旬、市教委文化財課の職員が八幡大神(はちまんおおかみ)を移す「第二神輿」にあった「元禄八年」(1695年)の墨書を確認。「第三神輿」には元禄13(1700)年を示す墨書も残っていた。

 同課担当者によると、恵美酒宮天満神社(同市飾磨区恵美酒)の社記に、神輿が1714(正徳4)年9月に完成したとする記録があり、これまで市内最古とされていたという。

 英賀神社の木村尚樹宮司(51)は「13回前の菅公大祭からこれらの神輿が使われていたのではないか」と推測。「25年に一度の大祭がこれほど長く続いていることに驚いた。2年後も素晴らしい祭りを実施するためにしっかり準備したい」と話していた。

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