大わらじ履いてのっしのっし、無病息災や五穀豊穣祈る 豊後大野市で「ひょうたん祭り」【大分県】

大きなわらじを履いてのっしのっしと歩くひょうたん様=3日午後、豊後大野市千歳町柴山

 大きなわらじを履いた神の化身が練り歩く奇祭「ひょうたん祭り」(県選択無形民俗文化財)が3日、豊後大野市千歳町の柴山八幡社周辺であった。新型コロナウイルス禍のため4年ぶりの開催。市内外から多くの見物客が訪れた。

 今年のひょうたん様を務めたのは高畑区中組の足立照典さん(72)。長さ約1.3メートル、重さ(片足)約8キロのわらじを履き、頭に烏帽子(えぼし)、手にはつえ代わりのサカキの枝を持ってのっしのっしと歩いた。

 途中、肩に下げたひょうたんから住民らにお神酒を振る舞い、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。仕切り役の「座元」を担当した後藤幸一さん(69)は「久しぶりの開催で多くの人が来てくれてうれしい。少子高齢化が進む地域だが、これからも歴史を守っていきたい」と話した。

 地元の言い伝えでは、戦乱が続いていた1192年、夢枕に立った宇佐八幡の神から分霊を迎えるよう告げられた地域の土豪が始めたとされる。分霊を祭ると戦火が鎮まったことから、800年以上続けているという。

© 有限会社大分合同新聞社