神の御前に「イモ」捧げ…豊作と商売繁盛祈る「献芋式」 川越氷川神社、頒布の「いもみくじ」も好評

参列者にあいさつする山田禎久宮司(右)=1日、埼玉県川越市宮下町の川越氷川神社

 川越名物として知られるサツマイモの豊作と、加工品などの商売繁盛を祈る「献芋式(けんうしき)」が1日、埼玉県川越市宮下町の川越氷川神社で行われた。川越サツマイモ商品振興会と川越いも研究会が主催。川越芋を代表する伝統品種「紅赤」にちなんで、「紅赤いもの日」と定めた毎年12月1日に開いている。2020年に始まり、今年で4回目。式には生産農家やサツマイモの関連商品を扱う事業者ら、約30人が参列した。

 サツマイモと材料の菓子などが供えられ、山田禎久宮司(55)が祝詞を奏上。関係者が玉串を奉納した。神事を終えると、山田宮司があいさつ。「農工商にわたって、まちに大きな力を与えてくれているのが川越芋。全ての産業の大本になっているサツマイモが、一層盛んに生産されてほしい」と願った。

 会場を移した式典では、振興会の神山正久代表(69)が「皆さまの努力によって、今やサツマイモを使った商品が川越には満ちあふれている」と感謝。江戸時代に川越藩で初めてサツマイモ栽培に成功した吉田弥右衛門の子孫吉田浩明さん(58)も招かれ、「川越でサツマイモ文化が花開いたのは、先人たちの苦労のたまもの」と述べた。

 境内では、さまざまな品種のサツマイモの展示や商品の販売なども行われた。市内にある障害者自立支援施設「川越いもの子作業所」の通所者や入所者が製作に携わる「川越いもみくじ」の頒布も、本格的にスタート。おみくじを引いた東京都杉並区に住むフリーターの女性は「サツマイモのつるに似せた道具で取れるのも楽しい。かわいい形なので、持ち帰って飾りたい」と笑顔を見せていた。

本格的に頒布が始まった「川越いもみくじ」を引く参拝客

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