活動家・周庭氏「香港戻らない」 カナダに滞在、情勢など考慮

周庭氏(ロイター=共同)

 【香港共同】香港の民主活動家で2019年の反政府デモを巡って実刑判決を受け21年に出所した周庭氏が3日、留学先のカナダ・トロントに9月から滞在しており、香港には戻らないとインスタグラムで明らかにした。

 香港国家安全維持法(国安法)違反罪で起訴される可能性が残っており、12月に香港の警察に出頭する必要があったが「香港情勢や、自分の安全や心理面の健康を考慮し、戻らないと決めた」と説明した。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、うつ病などに苦しんでいるという。

 香港警察は4日「法に公然と反する無責任な行為を、厳しく非難する」との文書を出した。

 周氏によると、警察からカナダに留学したいのであれば中国本土に行くことが条件だと言われ、8月に警察に付き添われて広東省深センに入り、改革・開放政策の展示施設などを見学させられた。「祖国の偉大な発展を理解することができ、警察に感謝する」との文章を書かされ、ようやくパスポートが返された。

 周氏は香港警察本部包囲デモを巡り、20年に無許可集会扇動罪などで実刑判決を受けて服役した。

© 一般社団法人共同通信社