魚雷発射試験場跡に祈りの「わ」 川棚片島竹灯籠まつり

さまざまな「わ」をイメージし、同心円状に竹灯籠が並んだ川棚片島竹灯籠まつり=川棚町、片島公園

 長崎県の東彼川棚町三越郷の戦争遺構、片島魚雷発射試験場跡(片島公園)で2日、川棚片島竹灯籠(とうろう)まつりがあり、約400人が幻想的な雰囲気に浸った。
 試験場は1918年に開設。終戦まで旧日本軍の魚雷の性能試験に使われていた。まつりは、平和を願う場所として地域の活性化につなげようと、住民らでつくる実行委が2015年に始めた。
 今回、園内の建屋「空気圧縮ポンプ室」の出入り口が一部損壊したため、立ち入りを規制。来場者は外から屋内を眺めた。屋内は県立川棚特別支援学校の高等部生徒が制作した折り鶴などで装飾された。
 園内には1500個の竹灯籠が同心円状に並び、川棚少年合唱団の歌や地元ガイドの解説もあった。北九州市から家族で訪れた濱田龍介さん(42)は「美しかった。遺構をライトアップして発信していることに、地元の心意気を感じた」と話した。

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