岩佐歩夢がサンクスデーでSF23を初ドライブ「マシンの軽さはF1に近い。来年はとにかくチャンピオンを狙う」

 12月3日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでおこなわれたホンダレーシングサンクスデー2023で、2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)にTEAM MUGENからの参戦を発表している岩佐歩夢が、初ドライブとなるTEAM MUGENのSF23でデモランを行った。

 2022年、2023年シーズンはFIA F2にダムスから参戦し、今季は最終的にドライバーズランキング4位でシーズンを終えた岩佐。2023年F1最終戦アブダビGP後に行われたタイヤ&ヤングドライバーテストにはスクーデリア・アルファタウリから参加し、F1マシンでの走行も経験した。F1参戦を目指す彼は、2024年はSFへ戦いの場を移すことを発表している。

 そんな岩佐は、ホンダレーシングサンクスデー2023内のプログラム『Red Bull Racing Honda RB16B×TEAM MUGEN SF23 Special Collaboration』で、RB16Bに乗る野尻智紀とともにデモランを行い、SF23を初ドライブした。

初めてのSF23でコースインする様子

 今回は3コーナー手前からビクトリコーナーへショートカットする、西コース部分のみを使用しての走行となったが、7周の走行を披露した。マシンを降りた岩佐は「F1とF2の間のような感覚だな、というのが率直な感想です」と語り、その感触を伝えた。

「F2のマシンよりもダウンフォースの量は少し多いかなと感じたのですが、そこには軽さが影響しているのではないかなと感じました」と、F1とF2の両方のマシンに乗った経験のある岩佐は早くもSF23のマシン特性に触れる。

「マシンの軽さという点では、それこそF1に近い部分があると思います。重量が軽い分だけ、F2よりもさらにダウンフォースがあるような感覚です。なのでその分、ブレーキングではさらに奥まで攻めていける感覚もありました」と岩佐。

SF23を初ドライブする岩佐歩夢

 12月6~8日に鈴鹿サーキットで開催される合同/ルーキードライバーテストでは、早くも来季へ向けた走行に臨む予定の岩佐。テストへ向けては「まずはマシンに慣れることしかできない」と語った。

「最初からセットアップを考えたりはせず、まずはマシンに慣れることに集中したいと考えています。テストを進めていくなかで徐々にスピードをあげていきながら、どれだけの情報量を得られるかというところにフォーカスしていきたいです」と、近日に迫る合同テストへの思いを語る。

「TEAM MUGENには、野尻選手と(リアム・)ローソン選手が成績を残した素晴らしいマシンのベースがありますので、自分はひとつひとつステップを踏んで、開幕戦から優勝できるように準備を進めていきたいと思っています。SFでは一勝をどれだけ重ねていけるかが大事になると思うので、とにかくチャンピオンを狙って頑張ります」

 F2では参戦初年度から速さを見せ、2023年にはさらに磨きがかかった走りで6度の表彰台を獲得する活躍をした岩佐。世界のライバルと戦って強さを培った彼は、日本のSFでどのような走りを見せるだろうか。鈴鹿で行われる合同テストから、彼の走りには要注目だ。

ホンダレーシングサンクスデー2023でデモランを行った岩佐歩夢と野尻智紀。来季はチームメイトとなるふたりの戦いにも注目だ

© 株式会社三栄