発がん性リスクの基準超える有機フッ素化合物“PFAS”を検出 住民の7割以上の血液から 

岐阜県各務原市で、有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が多く含まれる水道水を飲んでいた住民の7割以上の血液から、発がん性リスクの基準を超えるPFASが検出されたことが分かりました。

これは、水道水に含まれるPFASが、国の暫定目標値を大幅に超えていた各務原市の住民らの血液を、岐阜県民医連と京都大学が検査した結果によるものです。

検査では、PFAS濃度が突出している三井水源地(みいすいげんち)が水道水を供給している地域の住民100人から採血しましたが、このうち73人がアメリカの学術機関が発がん性など健康リスクがあるとするPFASの血中濃度を超えました。

これは、ほかの水源地の水を利用している住民の3倍近い値だということです。

(京都大学 医学研究科 原田浩二准教授)
「(PFAS濃度の)暫定目標値を変えていくのが次のステップ。発がん性があると認定されたことをしっかり受け止め、評価を行っていく必要がある」

WHOの専門機関は、PFASの一種PFOAを「発がん性がある」、PFOSを「発がんの可能性がある」と認定していて、岐阜県民医連は市に対して、全市民対象の健康相談窓口設置などを求めていくということです。

(大石邦彦アンカーマン)
飲んで安全なのか、健康被害はないのかということが一番気になるポイントですが、以前から指摘されていた「発がん性リスク」について新たな評価が示されました。

WHOの国際がん研究機関が公表した発がん性リスクは、4段階に分かれていてます。

「PFAS」の一種「PFOA」は、ヒトに対しての発がん性が、これまで上から3つ目の発がん性が“ある可能性あり”との評価でしたが、今回2段階引き上げられ、ヒトに対しての発がん性が“あり”と最もリスクが高いと分類されました。

また、PFOSもヒトに対しての発がん性が“ある可能性あり”と、新たにこの分類に追加されることになりました。

このリスク評価が引き上げられたことに対して、京都大学の原田浩二准教授は「国のリスク評価においても、発がん性を考慮していく必要がある。水道水などの検査や対策を早急に進めるべき」としています。

毎日飲む水ですので、まずは水道水や水源などを徹底して調査する必要があります。

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