セパンで2023/24アジアン・ル・マン開幕。マゼピン組99レーシングがレース1優勝を含む連続表彰台

 12月1日から3日にかけて、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで2023/2024年AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ第1・第2戦が行われ、土曜の開幕戦を99レーシングの99号車オレカ07・ギブソンが制した。翌日曜の第2戦決勝はクラウドストライク・レーシング・バイ・APRの4号車オレカ07が勝利を飾っている。

 今季も“ウインターシリーズ”として行われるAsLMSは、LMP2とLMP3クラス、そして引き続きGT3カーを用いるGTクラスの計3カテゴリーの各シリーズチャンピオンに、来季2024年ル・マン24時間レースの自動招待権が与えられる“ル・マン・シリーズ”のアジア版だ。2021年以来、過去3シーズンは中東のアブダビとドバイのみで開催されてきたが、今季2023/24年は東南アジアのマレーシア・ラウンドが復活し、お馴染みのセパン・サーキットが開幕戦の舞台となった。

 そのセパン・ラウンドでは、サリ・ヨルック駆る90号車オレカ07・ギブソン(TFスポーツ)が予選最速ラップとセカンドベストの両方でトップタイムを記録し、週末2レースに向けてふたつのポールポジションを獲得する。しかし先頭スタートの利は4時間レースでの上位入賞には結びつかず。ディフェンディングチャンピオンであるヨルック/チャーリー・イーストウッドにマイケル・ディナンが加わったトリオは決勝7位・8位に終わった。

 対して99レーシングのアハマド・アル・ハーティ/ニキータ・マゼピン/ルイ・デレトラズ組99号車オレカ07は、予選4番手からの逆転勝利を達成。最後はスコールに見舞われコースに留まるのが精一杯という極悪の路面コンディションのなか、2番手につける83号車オレカ07(AFコルセ)からリードを守りきった。なお、この開幕戦(レース1)はスタートから3時間43分が経過した段階で悪天候のため赤旗が提示された後、そのままレース終了となっている。

 2位は大雨のなかスピンを喫し、コースアウトするシーンも見られたAFコルセの83号車オレカ07。3位にはDKRエンジニアリングの3号車オレカ07が入った。

 LMP3クラスではクール・レーシングの17号車リジェJS P320・ニッサン(ジェームズ・ウインスロー/アレックス・ブカンソフ/ダニエル・フロスト組)が優勝。GTクラスはアウディR8 LMS GT3エボII勢がポディウムを独占し、優勝したクリストファー・ハーゼ/ジル・マグナス/アルバン・バルティ組サンテロック・レーシングの42号車と姉妹車43号車が、同門のアテンプト・レーシング66号車を間に挟んでワン・スリーを達成した。

 続く日曜の第2戦(レース2)では、レース中盤の追い上げで主導権を握ったクラウドストライク・レーシング・バイ・APRの4号車オレカ07(ジョージ・カーツ/コリン・ブラウン/マルテ・ヤコブセン組)が、99号車オレカ07から逃げ切って今季初優勝をマークした。開幕2連勝を狙った99レーシングは勝利まで8.927秒届かなかったが、2戦続けてポディウムに上がった。99号車と0.415秒差の3位にはプロトン・コンペティションの22号車オレカ07が入っている。

 LMP3クラスは昨季のチャンピオンチーム、CDスポーツの2号車リジェJS P320・ニッサン(ミケル・イェンセン/ニック・アドコック/ファビアン・ラベルニュ組)が優勝し、GTクラスではレース1の勝者の42号車アウディをわずか0.947秒差で抑えきったピュア・レクシングの91号車ポルシェ911 GT3 R(アレックス・マリキン/クラウス・バッハラー/クラウス·バッハラー/ジョエル・シュトゥルム組)がクラス優勝を飾った。同クラス3位はオプティマム・モータースポーツの27号車マクラーレン720S GT3だ。

 日本から参戦したDステーション・レーシングの77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(星野敏/藤井誠暢/キャスパー・スティーブンソン組)は、土曜のレース1をGTクラス16位/総合31位、日曜のレース2をクラス17位/総合30位で完走している。

 AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズの次戦は約2カ月後、2024年2月3~4日にUAEアラブ首長国連邦のドバイ・オートドロームにて第3戦が行われる。

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