津波注意報が出る中で海岸沿いに並んだ大勢の釣り人 “避難指示”も出ていたが自治体の呼びかけに応じず

12月2日深夜、フィリピン付近で起きた大地震で、愛知県と三重県にも一時、津波注意報が出され、愛知県田原市で10センチなどの津波を観測しました。

「津波注意報」が出たとき、どう行動すれば良いのでしょうか。

日本時間の2日午後11時37分頃、フィリピン付近を震源とするマグニチュード7.7の大地震が発生しました。

これを受けて、三重県南部や愛知県外海に津波注意報が出されました。

3日午前4時ごろから三重県尾鷲市や熊野市、愛知県田原市で「微弱」の、津波を観測し、午前7時前には田原市で10センチの津波を観測しました。

津波注意報が出された地域で、人的な被害はありませんでした。

30センチの津波でも立っていられない…津波注意報が出たら海から離れて

津波注意報は最大で1メートルの津波が予想される時に発表されます。

高さ30センチから40センチほどの津波を体験した実験映像です。

津波の力に耐えることはできず、あっという間に流されてしまいました。

(南部志穂アナウンサー)
「いつのまにか流されている。感じで何が起こったかわからない感じ」

しかし、津波注意報が出された三重県尾鷲市の港には、3日午前3時ごろ車が…車から降りた人物は岸壁に上っていきました。

手には釣竿のようなもの…結局、津波が観測された午前4時39分にも、車は港に置かれたままでした。

津波注意報が出ている中で…海岸に横1列に並んだ釣り人たち

愛知県田原市でも、3日午前3時ごろから車が集まり、夜が明ける6時ごろには、横1列に並んで釣りをする人々が…

田原市によりますと、30分から1時間おきに防災無線で注意喚起をし、職員も避難するよう直接呼びかけたものの、応じてもらえなかったということです。

田原市は、注意報が出ている際は、「海からすぐ離れてほしい」と改めて呼びかけました。

(夏目みな美キャスター)
今回、震源が遠く離れていたことで、津波注意報が突然出されたように感じたかもしれませんが、注意していただきたいんですよね。

(柳沢彩美キャスター)
この津波に関する警報・注意報というのは3種類あります。このうち「津波注意報」はこのように定義されています。予想される津波の高さは最大1mです。想定される被害は、海の中では速い流れに巻き込まれる、養殖いかだが流失、小型船舶が転覆する、こういったことも想定されます。

取るべき行動としましては、
・海の中にいる人は直ちに海から上がって海岸から離れてください。
・海岸近くや河口付近にいる方は、安全な場所に移動するようにしてください。
・津波注意報が出されたら、とにかく海や河口に近づかない。
これが大事なんです。

(夏目キャスター)
今回の津波注意報を受けて、自治体によっては避難指示を出したところもあるんですね。

(大石邦彦アンカーマン)
避難指示は各自治体、各市町村が出すものなんですが、愛知県の豊橋市役所は(午前1時過ぎに)避難指示を出しました。市内に外海に面した(避難の必要があった)民家はなく、避難の対象世帯はゼロだったんですけども、もしかしたら夜間でも釣り人やサーファーがいるかもしれないということで、海から離れるよう繰り返し呼びかけました。

震源が遠くて揺れを感じない…「遠地津波」の恐怖

震源が遠く揺れを感じないため、遠くの地で起きる津波、遠地津波(えんちつなみ)というのは避難行動を起こすことが難しいと、度々指摘されてきたんです。

フィリピンでは8センチだった津波が、遠く離れた東京都の八丈島では40センチだったんですね。遠くから押し寄せる津波は、海底の地形などの影響で、日本に到達する際に大きくなる恐れがあるんです。こういう逆転現象も起きますので、震源から遠いからといって安心せずに、命を守る行動をお願いします。

(夏目キャスター)
津波注意報が出されたら海岸や河口から離れる、近づかない。そして今回は人的被害は報告されていませんけれども、次回はどうなるかわかりません。改めて確認をお願いします。

© CBCテレビ