登山客が“クマ撃退スプレー”を新幹線車内でまさかの誤噴射 「いまは残り1~2本しかない」過去最多の出没で注文殺到も 扱いに注意必要

12月2日、東海道新幹線の車内でクマ撃退用のスプレーが誤って噴射され、乗客5人が体調不良を訴え、病院に運ばれました。アウトドアショップやインターネット通販などで誰でも購入できるクマ撃退用スプレーはいったい、どれくらいの威力があるのでしょうか。

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<山口駿平記者>
「JR浜松駅です。中から外にかけて規制線とブルーシートが張られていて、かなり物々しい雰囲気が漂っています」

2日夜、JR浜松駅に止まっていた東海道新幹線の車内で登山帰りの人がバッグのサイドポケットに入れていたクマ撃退用スプレーが、誤って噴射されました。乗客5人が体調不良を訴え、そのうち2人が目や喉の痛みがあり、病院に運ばれる事態となりました。

原因となったクマ撃退用スプレーとはどんな商品なのでしょうか。

<中西結香記者>
「全国で相次ぐクマの出没を受け、アウトドアショップでは、クマ対策グッズが品薄になっています」

アウトドアグッズを扱うSWEN三島店です。

<SWEN三島店 清木聖司さん>
「クマ対策グッズコーナーで1番よく聞かれるのは鈴類。あとは、クマよけスプレーになります。いまは残り1~2本しかない」

いま、特に売れているのは、クマ撃退用スプレー。10月下旬から、問い合わせが殺到していて、完売寸前です。

2023年に入って、全国ではクマによる人的被害が激増。今年度は11月末時点で212人に上り、統計開始以降、過去最多です。静岡県内では、人的被害こそ確認されていませんが、クマの目撃件数は90件を超えています。

クマ対策として注目される撃退スプレーですが、使い方は簡単。ロックを外してレバーを押して、クマの目や鼻を目がけて噴射します。

<SWEN三島店 清木聖司さん>
「距離にして9mくらい。8秒間噴出するが、それがクマの顔に当たると、そのまま向きを変えて逃げるような形になる」

スプレーには、唐辛子エキスが使用され、クマが逃げるほどの威力があります。誤って、人にかからないよう注意が欠かせません。

<SWEN三島店 清木聖司さん>
「まず、このカバーを元通りつけて、できれば結束バンドで留めるか、ビニールテープで巻いて、必ず外れないようにしてください。それから、念のためにビニール袋に入れていただいて、バッグの中に立てた状態で入れてもらうのがいいかと思います」

クマを撃退するほど威力のあるスプレー、持ち運ぶ際も十分に注意する必要があります。

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