猫に起きがちな「冬のトラブル」4つ 寒い季節を安全に過ごすための対策とは

1.泌尿器系の病気

冬は「膀胱炎」や「尿路結石」などの泌尿器系の病気にかかりやすくなります。

寒い場所にトイレを設置していませんか?猫は寒さに敏感なため、寒い場所にあるトイレを嫌がります。次第におしっこを我慢するようになり、膀胱炎や尿路結石を引き起こしてしまうのです。また、寒くなって飲水量が減ることも原因の一つになり得るとされています。

泌尿器系の病気は、すぐに治療しないと命に関わることもあります。トイレ以外でおしっこをするようになったり、血尿などの症状がある場合はすぐに動物病院を受診してください。

玄関や廊下のような冷え込む場所にトイレを設置している場合は、あたたかい部屋に移動してあげると良いでしょう。

ただし、トイレの場所が変わったことがストレスになり、かえって我慢する可能性もあります。トイレの移動が難しい場合は、数を増やしたりトイレ周りにカーペットを敷くなどして寒さ対策をしましょう。

あまりお水を飲まない猫ちゃんの飲水量を増やす対策として、ごはんを水分量の多いウェットフードに変えたり、お肉でだしを取り、味を付けないスープ状のものを与えるなどして工夫してみることをおすすめします。

2.毛球症

毛球症(もうきゅうしょう)も注意が必要な病気です。

毛球症とは、毛づくろいの際に飲み込んだ毛が胃でかたまることで、嘔吐や食欲不振などを引き起こす病気のことです。長毛種に多い病気ですが、短毛種がかかることもあります。

換毛期は特にたくさん毛が抜ける傾向があります。理想的なブラッシングの頻度は個体差がありますが、定期的なブラッシングで予防できるため、長毛種は2~3日に1回から最低でも週1回程度、短毛種は1週間から2週間に1回を目安にブラッシングをしてあげましょう。

3.体重の増加

猫は冬が近づくと太りやすくなります。なぜなら、寒さから体を守るには脂肪を蓄える必要があるからです。

とはいえ、いつもより多めにフードを与える必要はありません。欲しがるままに与えてしまうとすぐに肥満になってしまいます。

また、冬になると寒さから運動性が低下することもあり、消費カロリーが減ることも原因の一つと考えられるとされています。一年を通して同じ量のごはんにするのではなく、運動量や体重変化を見ながら量を調節することも大切です。

肥満は心臓病や関節疾患などを引き起こす原因にもなります。飼い主さんは、愛猫の食事量や運動量をしっかりと管理し、適正体重の維持につとめましょう。

4.暖房器具によるやけど

冬は暖房器具でやけどしてしまう猫も多いです。「ストーブに近づきすぎて愛猫のヒゲや被毛が焦げてしまった!」という飼い主さんも多いでしょう。

また、低温やけどのように直接火に触れていなくてもやけどする場合もあります。

低温やけどは、湯たんぽやホットカーペットなどの熱を同じ場所に長時間当て続けることで起こるやけどのことで、発見したときにはすでに広範囲に広がっていた…ということも珍しくありません。

猫は毛が密集しているため熱を感じにくく、それに加え、皮膚が薄くダメージを負いやすいという特徴があります。暖房器具を使う際は、猫がやけどしないように対策してから使用することが大切です。

まとめ

冬に多い猫のトラブルについてご紹介しました。

猫は寒さが苦手で冬に体調を崩しやすいです。命に関わる病気やケガも多いため、愛猫の様子に異変を感じたらすぐに動物病院を受診してください。

猫が健康に冬を乗り切るには飼い主さんのサポートが必須です。寒さ対策をはじめ、運動や食事の管理を徹底し、愛猫が快適に過ごせる環境をつくってあげましょう。

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