犬が『関節を痛めているとき』に見せるサイン5選 絶対に見逃してはいけない仕草や対処法とは?

1.歩くペースが遅くなる

犬が関節を痛めているとき、多くの場合動くことでより強い痛みや違和感を感じます。

そのため、散歩で歩くときにいつもより明らかに歩くスピードが遅いときは、関節を痛めている可能性があります。また、一度座ってから立ち上がって歩き出すときにも痛みを感じやすいので、同じような様子が見られたら注意が必要です。

さらに、体を左右に大きく振るように歩いているときは、片足をかばって歩いているのかもしれません。重心のかかり方のバランスが悪いことで起きているので、歩いているときの様子をしっかり観察してください。

もちろん、歩いているときに片足を引きずっていたり、びっこを引くように片足だけ上げていたりする場合は、明らかに足に異変が起きていると思います。無理に歩かせることはやめて、休憩させたり動物病院に連れて行ったりしましょう。

2.散歩や遊びを喜ばない

散歩に行くことやおもちゃで遊ぶことが大好きな犬が、それらに対して消極的な様子を見せるときは、関節を痛めている可能性があります。

また、歩いたり走ったりジャンプしたりするような行動に抵抗感を感じるようであれば、体を動かすときに痛みを感じているのかもしれません。

犬がそのような様子を見せるときは、どのような動きを嫌がるのか、どこを触ると嫌がるのかなどをチェックしてみてください。

3.段差を嫌がる

いつもはスムーズに登っている階段や段差の前で、一瞬躊躇するように立ち止まったり、段差を使わないようにほかの道を歩こうとしたりする場合は、関節に痛みを感じている可能性があります。

特に膝関節や股関節を痛めている場合、段差で足を高く上げるときに痛みを感じたり、着地の際の衝撃で強い痛みが生じたりすることが考えられます。

そのため、段差でこれまでとは違う行動が見られるようになったら、関節に痛みを感じているのではないかということを確認してみましょう。

4.関節部分を舐める

犬は痛みや違和感を感じている体の部位を、舐めることがあります。私たち人間が、痛みを感じているところをさするのと同じような行動で、無意識におこなっていることが多いようです。

そのため、犬が同じ部位をずっと舐め続けている場合や、散歩から帰るたびに同じ部位を舐めている場合は、その部分に痛みを感じていることが考えられます。慢性的な痛みになると、舐めているところの被毛が薄くなったり、毛が赤茶色に変色してきたりします。

そのような変化にすぐに気がつけるように、スキンシップやボディケアを日ごろからこまめにおこなっておくことをおすすめします。

5.寝ている時間が増える

関節は体を動かすときにどうしても使う部位のため、関節を痛めている犬はあまり動きたがらなくなります。

歩いたり走ったりすることはもちろん、立ち上がったり体の向きを変えたりすることでも痛みが生じるので、体を休めている時間が増えるのです。

そのため、犬が家の中で過ごしているときに、寝ていたり伏せていたりする時間が増えたようであれば、体に痛みを感じているのかもしれません。

まとめ

犬は、ひざ関節や股関節、腰部分を痛めることが少なくありません。遺伝的に関節異常が起こりやすい犬種もいますし、体型的にそれらの部分に負担がかかりやすい犬種もいます。

また、年齢を重ねると少しずつ関節部分への負担が増えていくので、痛みを感じ始める犬も多くいます。

関節を痛めたときに無理な動きをさせることは厳禁なので、関節を痛めているときのサインにできるだけ早く気がついてあげましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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