秋篠宮さま 改修問題の説明放棄、帝王教育も言及ナシ…会見で“人ごと”発言連発の理由

タイトル58歳のお誕生の前に会見に臨まれた秋篠宮さま(写真提供:宮内庁)

「最終的にこういうことを公表するという段階で、それを良しとするのは、まあ言ってみれば私ですが、私自身がそのことについて、かなりぐずぐずしていたということがあります。つまり引き延ばしてしまい、非常にタイミングとして遅くなったなというのが反省点です、といったところでしょうか」

11月30日に58歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さま。直前の27日に記者会見に臨まれ、次女・佳子さまが旧御仮寓所(秋篠宮邸分室)で一人暮らしをされていることを公表するタイミングなどについての質問にこのように答えられたのだ。

「会見について《「私自身がぐずぐずしていた」佳子さま別居公表の遅れに異例の反省の弁》という見出しで報じたメディアもありました。そもそも記者会からの1番目の質問は秋篠宮邸の改修費用や、佳子さまの旧御仮寓所での生活を明かしたタイミングに関するものでした。改修費についての国民の関心が高いとはいえ、お祝いすべき誕生日での追及モードは“異常事態”としか言いようがありません。

それにもかかわらず、秋篠宮さまのご回答には、新しい事実はまったくといっていいほどなかったのです」(皇室担当記者)

佳子さまの一人暮らしの理由について、秋篠宮さまはこうお話しされている。

「いずれはこの家から出ていくであろう、実際に一人はもうその前に結婚しているわけですけれども、娘たちの部屋をそこに用意すること自体がある意味無駄になるという考えからです」

だが、“無駄を省いた”ために、どれほどのスペースや経費が浮いたのか。この疑問に対する説明は宮内庁からもなく、秋篠宮さまも言及されてはいない。

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。

「多くの国民が知りたかったのは、秋篠宮邸の多大な改修費の詳細な内訳や、また予算を大幅に上回ったことに関する具体的な説明でした。

しかし秋篠宮さまのご回答はタイミングのことに終始し、論点がずらされてしまったように感じます。国民が納得するようなものにはならなかったと思いました。さらに残念だったのは、皇族数の減少という重要な課題について、秋篠宮さまのお考えを伺うことができなかったことです」

秋篠宮さまは“皇室の高齢化や皇族数の減少についてどう受け止められているか”という質問に対しては、次のように回答された。

「寿命といいますか、生きている時間というのも、これも限りがあるというのは、当然のことなわけですね。ということは、次の世代がいなければ当然のことですけれども高齢化し、また、人員が少なくなってきます。また、もちろん結婚して離れる、今のシステムで言えば結婚して離れるということもありますから、これは受け止めというか、必然的なことではないかと私は思っています」

■「国民の理解を得るのは難しい」

前出の皇室担当記者は、一連のご回答についてこう語る。

「皇族数の減少については皇室の存亡にかかわる問題として国会でも論議されているにもかかわらず、まるで“人ごと”のようにお話しされているように感じました。また秋篠宮邸の改修問題については、“国民の理解を得るのは難しい”と、説明を放棄されたかのようにもとらえられかねない趣旨のお話をされています。

さらに悠仁さまの教育に関する質問に対しても、記者たちは帝王教育や将来のご進路について聞きたかったのだと思いますが、『恐らく1番関心が強いのはトンボ類のこと』『例えば大学に行くという時に、本人が何をしたいかということがやはり1番大事なのだと思います』といったお言葉しかありませんでした」

こうしたご発言を繰り返される秋篠宮さまのお立場について、神道学者で皇室研究者の高森明勅さんは次のように解説する。

「’19年4月、朝日新聞は秋篠宮殿下の皇位継承にまつわるお言葉を報じています。それは『兄が80歳のとき、私は70代半ば。それからはできないです』というものだったそうです。同じ記事には、天皇に即位することについて『そんなこと思ったことがない』と語られたと記載されています。

つまり秋篠宮殿下は傍系でいることを望まれており、即位を考えていらっしゃらないということになります。

また秋篠宮殿下は『自分は皇太子たるべく教育を受けてきていないから』と、皇太弟やそれに類した称号を受けることを辞退されたと繰り返し報じられていますが、このことについては、宮内庁も殿下ご自身も否定していないのです」

悠仁さまの帝王教育について語られないのも、「次男の自分は帝王教育を受けていないから」という引け目のようなお気持ちがあるからなのか。

前出の小田部さんは、

「一時期は、女性天皇の可能性について国会の論議も進んでいました。しかし悠仁さまのご誕生により論議は宙に浮き、秋篠宮さまが描かれていた“一宮家としての将来設計”に狂いが生じてしまったのではないでしょうか。いまは皇嗣家当主となりながらも、一宮家だったころのスタンスからも抜けきれないジレンマが、お誕生日会見などの秋篠宮さまの発言から感じられます」

“帝王教育を受けていない皇嗣”というお立場に苦悩されているという秋篠宮さま。だが“国民の理解を得る”ことは諦めずに続けていただきたい。

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