米空軍の無人偵察機「MQ9」 4年間で事故7件 2018年6月~22年7月 海外で 沖縄防衛局が回答

 【中部】米空軍の無人偵察機「MQ9」が、2022年7月に米欧州軍管轄地域での航行中の操縦ミスで墜落するなど、海外で18年6月から22年7月の約4年間で少なくとも7件の事故を起こしていたことが分かった。沖縄防衛局が嘉手納基地周辺の沖縄市、嘉手納町、北谷町で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」の質問に文書で回答した。

 MQ9が嘉手納基地に配備されて以降、三連協が過去15年間の事故発生状況などを質問していた。回答文書によると、いずれも海外で「墜落」が4件、「滑走路を逸脱し停止」が2件、「滑走路の手前で地面に衝突し炎上」が1件。

 1件以外は原因を示していない。死傷者は出ていないと回答。今年8月に一時配備先の海自鹿屋航空基地で発生した滑走路逸脱の原因についての質問には、「保全に関わる」として答えなかった。

 武器搭載について、嘉手納配備の機体は武器を搭載できず、仕様変更の予定も「ないと承知している」との認識を示した一方、期限を定めない展開計画のため「有事の場合も含めた将来の可能性についてまで確定的にお答えすることは困難」とした。

 三連協は、計画に対する対応を協議するために質問し、11月9日に回答を得た。同30日に回答文書を3市町のホームページで公表した。三連協は、現時点で配備撤回を求めるなどの対応を固めていない。(中部報道部・屋宜菜々子)

(資料写真)米軍嘉手納基地に着陸した無人偵察機「MQ9」=2023年10月18日、嘉手納町

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