風呂場の事故急増、寒暖差で起きるヒートショックに注意を 10~11月で4人死亡 三木市消防本部

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 寒さが増す中、暖かい部屋から寒い部屋への移動などで血圧が大きく変動し体に負担がかかる「ヒートショック」に注意するよう、兵庫県警三木市消防本部が呼びかけている。市内では近年、風呂場での事故が急増。今年も10月から11月末までの2カ月間で4人が亡くなっている。同本部は、家族間での声かけや部屋の寒暖差をなくす取り組みを推奨している。

 同本部によると、10月から翌年3月までの下半期における風呂場事故での救急隊の出動数は2021年度から急増。18年度の同時期は39件だったが、21年度は61件(うち急病50件)、22年度は65件(同55件)に増えた。本年度も10、11月の2カ月間で20件。同本部は高齢化が進み、体調を崩す人が増えていると分析する。

 風呂場で死亡、または心肺停止となる「重症」は18年度が計8人(うち死亡0人)、19年度計9人(同2人)、20年度計13人(同8人)、21年度計11人(同3人)、22年度計15人(同3人)。本年度は11月末までに計5人で、うち4人は亡くなっていた。

 ヒートショックは、寒さで収縮した血管が温かいお湯に漬かって拡張されると、血圧が上がり心臓に負担がかかるため、入浴時に多く発生する。市消防本部によると、こうした状況に陥るのを避けるには、脱衣場を暖かくする▽まだ暖かい日中に入浴する-といった、温度差をなくす取り組みが有効だ。

 同本部の担当者は、同居する家族がいる場合、声かけをするよう提案する。「入浴時間を決め、何分になったら声をかけると決めておく。こまめな声かけが大切な人を救うことになる」と強調する。(長沢伸一)

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