餅を天井へ 豊作願う 米沢、千眼寺で歳越祭

ついた餅を天井に向けて力強く持ち上げ、来年の豊作を祈願した越年餅つき=米沢市・千眼寺保呂羽堂

 米沢市の千眼(せんげん)寺(鈴木一志住職)で4日、伝統行事「歳越(としこし)祭」の越年餅つきが行われ、さらしと鉢巻き姿の若衆が新年の豊作を願い、千本杵(ぎね)でついた餅を天井へと豪快に突き上げ、来年の豊作などを願った。

 地元の男性ら約20人が臼を囲み、作業工程に合わせ、「煉(ね)り」「搗(つ)き」「揚(あ)げ」の歌を響かせながら餅をついた。最後は「あげろ 餅 あげろ 天竺(てんじく)までも あまの河原の底までも…」と、一気に天井に餅を突き上げた。今年は約500キロの餅米を用意。納豆やあんこにからめたほか、雑煮にして住民らが味わった。

 新型コロナウイルスの感染拡大後は規模を縮小して継続し、4年ぶりの通常開催。祭りは害虫による凶作に苦しんだ農民が保呂羽堂の縁の下にあった砂を水田にまいたところ、豊作になったことから、感謝のため餅を供えたことが始まりとされる。

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