舟山さん(小国高3年)が最高賞 「大切な命を守る」全国作文コンクール

国務大臣・国家公安委員会委員長賞を受賞した感想を語る小国高3年の舟山留愛さん=小国町役場

 警察庁の「大切な命を守る」全国中学・高校生作文コンクールで、小国高3年舟山留愛(るあ)さん(17)の作品が最高賞の国務大臣・国家公安委員会委員長賞に選ばれた。輪禍で長男を亡くした女性の講話から得た、自身の気付きを丁寧につづった。舟山さんは「悲しい事故が起きないよう、自分に何ができるかを考えるきっかけになった」と話した。

 題名は「失ってから気付く命の大切さ」。昨秋に同校で行われた「命の大切さを学ぶ教室」で感じた思いなどを記した。小学2年生の息子が命を落とした事故の状況や当時の心境などを語る講師の女性の姿から、「失って初めて命の大切さに気付くつらさに共感し、心を動かされた」という。

 その上で、小学生の頃に道路に飛び出して事故に遭いかけた経験や、当たり前の日常を失う恐怖感を踏まえ、歩きながらスマートフォンを操作しないことやイヤホンを使いながら自転車に乗らないことなど、「一つ一つの意識や行動を家庭内で確認し合う。それが命を守り、『生きる』ことに結びつく」と指摘した。

 運転免許を取得することで、自身が加害者にもなり得ることを胸に刻み、「世の中で起きている事故に目を向け、危機感を持つことが大事なのだと知った」と総括した。

 舟山さんは4日、小国町役場を訪れて仁科洋一町長に受賞を報告。「驚きでしかなかったが、苦しい思いをしている人に寄り添うことができる大人になる思いを強くした」と話した。

 コンクールは13回目。全国から計1万7670点の応募があり、国務大臣・国家公安委員会委員長賞は中学生、高校生の各部で1点ずつ選ばれた。

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