厄介な「猫風邪」、主な症状5つと予防法 一度かかると一生治らないって本当?

「猫風邪」の主な症状は?

猫風邪にかかると、どのような症状を引き起こすのでしょうか。もしも以下のような症状がみられたら、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

1.食欲不振

食欲不振は、猫風邪に多い症状のひとつです。猫がいつもより食べる量が少なくなったり、ご飯を全く食べなくなったりします。

免疫力が低下すると口内炎もできやすくなるため、痛みや違和感から食欲不振が続くことも考えられます。

また、鼻汁によって鼻詰まりが起き、そのせいで食べ物の匂いを感じることができずに食欲不振となることもあります。

2.体温の上昇

猫風邪を発症すると、ウイルスなどの病原体と戦うために体温が上昇します。体温計があれば測ることが望ましいですが、「耳が熱い」「呼吸が早い」「ぐったりした様子」がみられたら熱があるかもしれません。

猫の体が熱い時は、手足を伸ばして熱を放出しやすい体勢で寝ていることもあるでしょう。逆に具合が悪いことを隠したい猫の場合は、部屋の隅などでじっと伏せたまま動かないこともあります。

3.目の充血や炎症

猫風邪は「目が充血している」「涙が出ている」などの目まわりのトラブルも引き起こしやすくなります。

結膜炎になっていると、普段よりも涙の量が増え、細菌感染を伴う場合は黄色っぽい目ヤニが多く出ます。

4.くしゃみ・鼻水・咳

猫が猫風邪にかかると、人の風邪と似たような症状があります。「くしゃみ」「鼻水」「咳」の症状が頻繫にみられたら、早めに動物病院に受診をしましょう。

猫風邪が進行すると肺炎や喉頭炎により咳が激しく出るほど重症化してしまうおそれもあるため、様子見は危険です。

5.元気がない・動きたがらない

猫がいつもより体を動かさない様子があれば、猫の体に異変が起きている可能性があります。

猫の免疫力が落ちてくると、体力を温存するためにじっとしている姿が目立つようになります。

普段に比べて、名前を呼んでも反応が薄かったり、あまりおもちゃで遊ばないときは病気を疑いましょう。

猫風邪は一生治らない?効果的な予防法

猫風邪は、適切な治療を行えばある程度症状を抑えることのできる病気です。

しかし、体が回復した後もウイルスは一生体内に残り、猫の体調やストレスによって再び風邪の症状を引き起こしてしまうと言われています。

また感染の度合いや猫の免疫力によっては、少し涙が出る、時たまくしゃみをする、といった症状は完全に消えないこともあります。

猫風邪を完全に予防することは難しいですが、予防策を実施して猫風邪の発症リスクを少しでも減らしてあげましょう。

心身のケアと衛生管理

ストレスは、猫の免疫力を低下させる要因のひとつです。猫風邪にかからないために快適な飼育環境と遊び、そして猫との適度なスキンシップをとることが大切です。

猫風邪は感染力が非常に高いため、多頭飼いの場合は感染拡大しないように注意しなければなりません。

猫トイレや寝床、食器などを常に清潔に保ち、衛生管理の徹底を心がけましょう。

また、猫風邪は飛沫感染もあります。くしゃみや目ヤニが出ている猫がいる場合は、可能であれば他の部屋での生活にするなど、濃厚接触を避けるようにしましょう。

外猫との接触制限を行う

猫風邪は他の猫との接触によって広がります。外猫との接触を制限して、ウイルスをもらわないようにしましょう。

飼い主さんが外からウイルスを自宅に持ち込んでしまうこともあるため、手洗いや消毒をしてから猫に触れるようにしたいですね。

獣医師によるワクチン接種と健康診断

猫風邪の主な病原体である「ヘルペスウイルス」「カリシウイルス」「クラミジア」に対するワクチン接種が予防に効果的です。もしも猫風邪にかかっても、ワクチン接種をしていれば重症化しにくくなります。

ワクチンのことで気になることがあれば獣医師に相談し、適切なスケジュールで接種しましょう。

まとめ

「一度かかると一生治らない」とされている「猫風邪」。その理由は、猫風邪の症状を治しても、原因となっている病原体がウイルスであれば猫の体内に潜伏し続けるからです。

初期症状の段階で適切な治療を行えば症状も治まりやすいため、猫の異変に気付いたら早めに動物病院を受診しましょう。

猫風邪の感染と再発、重症化を防ぐためにも「定期的な健康診断を受ける」「ストレスの少ない環境を維持する」ことを意識して大切な愛猫の健康を守ってあげたいですね。

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