マリナーズ 自慢の投手陣を犠牲にすることなく打線強化を目指す

マリナーズは今季2ケタ本塁打を記録した8選手のうち、テオスカー・ヘルナンデス(26本塁打)とマイク・フォード(16本塁打)がFA、エウヘニオ・スアレス(22本塁打)とジャレッド・ケルニック(11本塁打)がトレードでチームを去った。打線はかなり弱体化しており、今後は打線強化に動くことが予想されている。投手陣が充実していることもあり、投手をトレードの駒にして野手獲得に動くとの見方もあるが、ジェリー・ディポート編成本部長は投手を犠牲にすることなく打線を強化したいと考えているようだ。

日本時間12月4日、マリナーズはサラリーダンプが目的とみられるトレードをブレーブスとのあいだで成立させ、外野のレギュラーの一角だったケルニックを失ったものの、マルコ・ゴンザレスとエバン・ホワイトを引き取ってもらうことに成功した。ディポート編成本部長は「ペイロールに柔軟性をもたらすこと」が目的だったことを明かしており、「我々のオフシーズンはこれから本格的に始まるんだ」と今後の補強に意欲を見せた。

88勝74敗で惜しくもポストシーズンに届かなかった今季とほぼ同じメンバーを維持するという選択肢もあったようだが、ディポート編成本部長はあえて別の道を選択した。今オフはコンタクト能力が高く、三振の少ない打者を獲得することを目指しており、三振の多い打者(スアレス、ヘルナンデス、ケルニック、フォード)を放出してペイロールに余裕を作り、チーム方針に合致する選手を新しく獲得しようとしているというわけだ。

もちろん、選手を大幅に入れ替えることにはリスクが伴うし、ディポート編成本部長は「現在のチームはシーズン終了時のチームほど優れたメンバー構成ではない」ことを認識しているという。ただし、大谷翔平ら大物FA選手の動きが遅いことで移籍市場もまだそれほど大きく動いておらず、ディポート編成本部長は「1ヶ月前にリサーチしていた選手たちは今も全員獲得可能だ」と語っている。ペイロールに余裕を生み出した今こそ、それらの選手の獲得に動くタイミングということになるだろう。

現時点のマリナーズのペイロールは約1億1500万ドル。今季が1億4000万ドルだったこと、ディポート編成本部長がペイロールの増額を示唆していることなどを考慮すると、少なくとも3000万ドル前後の補強資金があるとみられる。ブレーブスとのトレードでゴンザレスを放出して先発の頭数が1人減ったため、ディポート編成本部長は「投手を犠牲にせず打線を強化したい」と考えているようだが、3000万ドルの補強資金を使って誰をチームに加えることになるのだろうか。

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