大きさは“戦艦大和” 1.5倍!呉で建造中 “世界最大級” 巨大コンテナ船に潜入!「スケールでかすぎ」新幹線のぞみ16両編成とほぼ同じ全長400m 船長室は“まるでホテル”

呉の港で建造 “世界最大級”コンテナ船

広島県呉市の港に浮かぶひときわ目立つ巨大な船…。

小林康秀キャスター
「あちらにピンクの船。大きいですね。手前にはカーフェリーが通ろうとしています。この大きさ見てください、全然違いますよね。こちらの造船所では、初めて作ったと言えるぐらい大きな『世界最大級』のコンテナ船なんです。」

“世界最大級”といわれるコンテナ船の中身はいったいどうなっているのか…。小林キャスターが実際に乗り込み、「スケールが大きすぎる」船内をレポートします。

小林キャスター
「JMU(ジャパンマリンユナイテッド)の呉事業所にやってきました。竣工直前の世界最大級のコンテナ船の内部が見られるということでヘルメットをかぶってやってきました。さあそれでは早速行ってきたいと思います」

造船所を案内してくれたのは、JMU呉事業所管理部長である杉森正英さんです。

小林キャスター
「見えてきました。ピンク色の船体ですけど、これ船尾から見るとかなり大きいですね。これ船ですか本当に?建物ですね。」

大きさは「戦艦大和」の1.5倍!移動も一苦労

この世界最大級のコンテナ船の大きさは
▼全長:399.95m ▼幅:61.4m ▼総トン数:23.5万トン

かつて呉で造られた「戦艦大和」の約1.5倍に達し、コンテナ船がどれだけ大きいかがわかります。

現在、日本国内の造船会社に合計6隻が発注されて造られており、2023年のうちにすべて竣工します。

それではエレベーターで、いよいよ船へと乗り込みます。

はじめに訪れたのはコンテナを積み込むエリアです。

JMU呉事業所 杉森正英さん
「この上にコンテナが13段積み上がる、デッキ上がおよそ1万4000個。この下がハッチカバーでおよそ1万個弱。合わせて2万4000個」

およそ40トンのハッチカバーを外すと、コンテナの積載スペースがあるというので、そちらも見学させてもらうことにしました。

小林キャスター
「広いですね、声が響きます。かなり広くて深い空間ですけど、こういう部屋がいくつもあるんですか?」
JMU杉森さん
「10区画用意されています」
小林キャスター
「10区画!へえぇ」

10区画におよそ1万ものコンテナを積むことができます。

つづいて船の先端、「船首」に向かいました。

「先が見えない…」16両編成「のぞみ」と同じ長さ

船の全長はおよそ400メートル…。16両編成の新幹線「のぞみ」とほぼ同じ長さです。

小林キャスター
「船のわきを歩いているんですけども、先が全然見えないです。さすが400m級。どこまで我々は歩いていくのでしょう…」

歩くこと5分以上かかって、ようやく船首に到着。いかりにつながるアンカーチェーンも巨大です。

小林キャスター
「船首にやって参りました。だいたい時間は…。6分半かかっています。けっこうかかりますね。いや~、400メートル。さすが世界最大級です」

次は操縦室を目指します。操縦室までは、エレベーターと階段を使って移動します。

操縦室に潜入!「巨大な船体」動かすハンドルの大きさに…

小林キャスター
「ここはまた広いスペースです。パソコンがあったり、いわゆる操舵する座席が目の前に見えますね。
JMU杉森さん
「このスペースが操舵の装置ステアリングギアといいまして操舵のハンドルになりまして、これで舵を切る」
小林キャスター
「なんか普通の車のハンドルみたい」

舵の角度は最大35度まで切れるようになっています。また、コンピューターで海図やレーダーの情報が表示されたモニターから乗組員に指示ができる仕組みになっていました。

船長が航海中に座る席に小林キャスターが座らせてもらうことに。

キャプテンシートの座り心地&ホテルのような船室

小林キャスター
「せっかくなんで座らせていただきたいと思います。よいしょ…。うわ、すごく座り心地のいいふかふかしているシートですね。キャプテンシートって感じがします」

操縦室とつながるブリッジと呼ばれるエリアがあり、船の両端の状況を確認します。

小林キャスター
「あ、ガラスがあって下が見えます。これは高いなぁ。これ高さは海面までどれぐらい?」
JMU杉森さん
「70mぐらい」

20階建てのビルと同じような高さの場所から、港への着岸や狭い運河を通る際、目視で距離を確認しながら舵を切ることができます。

巨大な船で働く乗組員にもプライベートな空間が用意されています。

乗組員にはそれぞれトイレ・シャワー付きの個室が用意されています。

共用スペースには食堂やラウンジが準備され、長い航路の中でくつろぐこともできます。

また船長室は、部屋は2つに分かれており、ソファーとデスクが置かれた部屋とまるでホテルの部屋となっていました。Wi-Fi環境も整備されているそうです。

“圧倒的な存在感” メインエンジンは9気筒

いよいよこの巨大コンテナ船の心臓部、エンジンルームへ向かいます。

小林キャスター
「これはなんでしょうか?」
JMU杉森さん
「これはメインエンジンになります」
小林キャスター
「これは何気筒?」
JMU杉森さん
「9気筒ですね」
小林キャスター
「これがこの船の心臓部と」
JMU杉森さん
「そういうことになります」

エンジンは動きだすと会話ができなくなるほどの大きな音と熱気がでるそうです。そばには機関制御室があり、エンジンの状態を監視・制御を行います。

JMU杉森さん
「あまりにも圧倒的に大きいもので、いままで培った経験を超えてしまう。いろんな仕事の段取りにしても量にしても、合わない・終わらない苦労があったと聞いています。
我々も経験したことのない大きな船を造らさせていただいて、お客様の元で活躍することを願っている。」

コンテナ船は6日に命名式が行われたあと出港します。この巨大コンテナ船は、呉の港を離れたあとは、中国やシンガポールなどアジアとヨーロッパを結ぶ航路で使われるため、今後、日本に寄港することはないそうです。

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