世界の映画は“性愛”をどう描く? エマニエル夫人ことシルヴィア・クリステル主演『プライベイトレッスン』ほか木曜深夜しっぽり鑑賞のススメ

『ベルリン、60分の愛人』© 2021 ZDF / FLARE FILM

『エマニエル夫人』4K上映と世界の“プライベート”映画

世界中の映画ファンを虜にし、また性の解放を促した名作『エマニエル夫人』が日本公開50周年を記念し、4Kレストア版で2023年12月29日(金)より全国公開。同時上映される『続エマニエル夫人』『さよならエマニエル夫人』のデジタルリマスター版と共に、冬の映画館の湿度をぐんと上げてくれそうだ。

そんな2023年の年末年始にオススメしたいのが、CS映画専門チャンネル ムービープラスで毎月木曜深夜の放送中の特集「プライベートシアター」。12月の作品は、『エマニエル夫人』でお馴染みシルヴィア・クリステルが演じる美しき家政婦の“性の課外授業”を描くハリウッド進出作『プライベイトレッスン』(1981年)や、ドイツの社会問題をベースに居場所のない男女の交流を描く『ベルリン、60分の愛人』(2021年)など、国際色豊かなラインナップとなっている。

世界の映画界の“性愛”の描き方は、どう違うのか? しっぽり学べる「プライベートシアター」の放送作品を、ざっと紹介したい。

美しすぎる家政婦が愛の手ほどき『プライベイトレッスン』(1982年:アメリカ)

『エマニエル夫人』で一斉を風靡したシルヴィア・クリステルのハリウッド進出作(DVDリリース時の邦題は『プライベート・レッスン -性の課外授業-』)。セクシーな家政婦がうぶな少年に愛の手ほどきをする。

――裕福な15歳の少年フィリーの興味は、もっぱら女の子。だが、いざ女子を前にすると口もきけなくなってしまう。夏休み、父親の出張で家族旅行が中止になり、邸に残されたフィリー。そんな彼を美しい家政婦マロウが自室に招き入れる。こうして、ひと夏の“性の個人授業”が始まるのだった――

※4Kをマスターとした2Kダウンコンバート放送

恋人の「妹」と「元カレ」が揃ったらどうなる!?『快楽の囚人』(2021年:ロシア)

完璧なカップルの元にやって来た、その妹と、元恋人。全員が快楽を求め、身体的にも心理的にも“罠”を仕掛け合う官能サスペンス。

――色香を匂わす美貌の【年上の女】と、その恋人である純朴な【年下の男】。2人は美しい自然の中にあるコテージで完璧な休日を過ごしていた。そこへ、女の【妹】が訪ねてくる。姉妹の確執を感じながらも、姉にはない可憐さを湛えた妹との距離を縮めていく男。さらに姉の【元恋人】もやってきて――。

アラビア文学がエロスを開放する『性の教典』(2020年:フランス・チュニジア)

アルジェリア出身の青年と、若く魅力的なチュニジア人女性。大学で出会った男女がエロティックなアラビア文学に触れ、エロスに目覚めていく官能ドラマ。

――アルジェリアにルーツを持つフランス人青年アーメドは、ソルボンヌ大学で魅力的なチュニジア人のファラと出会い、恋に落ちる。ファラへの性の欲望に圧倒されながらも、抗おうとするアーメド。だが官能世界へ誘うエロティックなアラビア文学をきっかけに、自分自身を解放していき――

『ベルリン、60分の愛人』(2021年:ドイツ)

ベルリン国際映画祭を始め、各国の映画祭で大きな話題を集めた官能ドラマ。ベルリンを舞台に、居場所のない女性たちの愛と快楽の行方を描く。

――ベルリンの売春宿“クイーンズ”で長年、働くサシャ。そんな彼女の鬱屈とした日々は、破天荒だが不思議な魅力を持つ新人・ジェシーが現れたことで一変する。惹かれ合った2人は激しく求め合うが、毎日見知らぬ男に汚される現実と、娼婦という職業への偏見が容赦なく彼女たちを蝕んでいく――

CS映画専門チャンネル ムービープラス「プライベートシアター」は毎月木曜深夜放送

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