安保関連法、9条違反と言えず 仙台高裁、初の憲法判断

集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法を巡る集団訴訟の控訴審判決で、「不当判決」と書かれた紙を掲げる原告側弁護士=5日午後、仙台高裁前

 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法違反で、平和的生存権や人格権を侵害されたとして、福島県の住民が国に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は5日、「憲法9条に明白に違反するとまでは言えない」と初の憲法判断をした。訴えを退けた一審福島地裁いわき支部判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。

 弁護団によると、一連の集団訴訟は全国の22の地裁・支部に起こされ、これまでの判決は全て原告側敗訴とし、最高裁も上告を退ける決定をした。憲法判断が示されたことはなかった。

 最大の争点は、政府の憲法解釈変更で集団的自衛権を認めた安保法が憲法9条に違反するかどうかだった。

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