佐藤琢磨がホンダサンクスデーで今年も奮闘。インディ500優勝マシンでもてぎ疾走も「危ない、危ない(笑)」

 12月3日、2023年のシーズンを締め括るホンダレーシングサンクスデー2023が栃木県のモビリティリゾートもてぎで今年も開催された。F1、MotoGPも含め国内外のホンダレーシングのライダー、ドライバーが一堂に会し、モータースポーツファンと共に楽しい1日を過ごした。

 今年もレッドブル、アルファタウリのF1デモンストレーションやNSX-GTのラストラン、MotoGPライダーのマルク・マルケスがホンダを離脱するセレモニーなど、イベントは盛沢山。そのなかでも、インディカーファンが見逃せなかったのが佐藤琢磨による2020年インディアナポリス500マイルレース(インディ500)優勝マシンでのデモンストレーションランだ。

 コース上のプレミアムピットウォークでも多くのファンがマシンの周りに集まり、写真に収めていた。確かにオーバルでの走行が実現出来ずインディカー本来のパフォーマンスとは程遠かったかもしれないが、世界中が塞ぎ込んでいたコロナ禍で燦然と優勝したマシンが、再び琢磨本人のドライブで実現したことはファンの記憶に深く刻み込まれることだろう。
 
 また琢磨はホンダドライバーでありながら、HRSのプリンシパルとしての顔も持ち、若手後進のドライバーを育てる立場でもある。

 イベント前日の土曜日には、もてぎの北ショートコースでセルジオ・ペレスを講師に迎えてHRS生徒が交流するスクールが予定されていたが、ペレスがフライトの遅延で出席出来ず、急遽角田裕毅と岩佐歩夢が講師に起用された。

 豪華なスクールとなったがプリンシパルの琢磨は、角田や岩佐をうまく生徒に溶け込ませて、模擬レースから彼らのレースを生徒たちに肌で感じてもらえるようにプログラムを組んだ。模擬レース後の質疑応答では直接生徒が質問できたりと、参加した5名の生徒たちにとっては有意義な時間だっただろう。

HRSの特別講師として招かれた角田裕毅と岩佐歩夢と参加した5名の生徒

 また日曜日の琢磨もサーキットを奔走する忙しい1日だった。インディカーのデモストレーションはもちろん、HRSスクールカーのデモ走行やNSX-GTでのレースにも参加。

 ピットを歩いては積極的に国内外のドライバー、ライダーと交流して積極的に親交を深めていた。ホンダドライバーであり、インディカードライバーでもある事を伝え、ファンへの1年の感謝をこの日に表していた。

 ピットウォークではどの出演選手らよりも早くファンにサイン応対を始め、その終わりまでずっとファン対応を続けていた。常にファンに感謝する気持ちを忘れなかった琢磨らしい姿を後進ドライバーたちはどんな思いで見ただろうか。

プレミアムピットウォークでは、たくさんのファンへ積極的に応援の感謝を伝えた
MotoGPライダーの中上貴晶とも談笑し、カテゴリー問わず多くの参加選手と交流を楽しんだ琢磨
2020年のインディ500を制したIR-18でデモランへ向かう佐藤琢磨

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