書は捨てなくてもいいので、バスに乗ろう、町に出よう。「町」バス停【福岡県筑後市】

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡市のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載66回目は、福岡県筑後市にある「町」バス停をご紹介します。

今回は筑後市からお届け

「書を捨てよ、町へ出よう」というのは寺山修司の著作ですが、それとは恐らく関係のない「町」です。

数多ある西鉄のバス停、その代表として唯一無二の、町です。

前回、西鉄バスで唯一、踏切を名乗っているバス停を紹介しましたが、産交バスには宇城市に、その名もずばり、地名の装飾がない踏切バス停があります。

こういう、固有名詞の付属しないバス停は、ほかにも四つ角とか、三叉路とか、各地にいろいろありまして、

バス停とは、その名前を聞くと「あのへんかな?」と地域が特定できてこその存在のはずながら、見てもどこにあるのか全くヒントのない「一丁目」って、もうシュールでしかありません。

とはいえ福岡の年配の方にとって、一丁目といえば渡辺通一丁目らしいですね。かつて福岡の街を走っていた路面電車の電停が、渡辺通を冠さない「一丁目」だったそうです。まだ「●●○丁目」という住居表示が珍しかった頃、一丁目といえば渡辺通、という時代の話だと思います。

「町」バス停の周辺を歩いてみる

さて町に戻ります。

バス停の後ろには保育園。

道路の両側に住宅が建ち並び、確かに町です。

しかし残念ながら、本数は少なめです。平日も土日祝日も4往復ずつ。

名前が印象的な理髪店や、

懐かしい雰囲気のある青果店、

訪問した際には開いていませんでしたが、

醤油の販売店などがあります。

町の隣は、

「流」。

一文字のバス停は福岡市内の西鉄バスにも4か所しかなく、珍しい存在のはずですが、ここでは連続します。

流バス停の後ろには、美味しい焼肉店。25年ほど前、当方がツマと結婚を約束したのがここ、という情報は、誰の得にもなりません。

皆さま、町へ出ましょう。

基本情報

バス停名:町(まち)

・住所:〒833-0053 福岡県筑後市西牟田[map]

・天神からの行き方:

【STEP1】「西鉄福岡(天神)」駅から特急大牟田線に乗車、「西鉄久留米駅」駅で下車。約30分、640円
【STEP2】「西鉄久留米(二番(八女・国分・西町))」から、普通55番 羽犬塚駅前ゆきに乗車。約41分、530円

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