「悔しいです…」清水エスパルスサポの阪神・岩崎優。 地元のこども園訪問の帰り際に漏らした心境。水戸戦は現地観戦

プロ野球・阪神タイガースの日本一に大きく貢献した岩崎優投手が4日、地元・静岡市清水区のこども園を訪れ、今季の登板数60試合にちなみ西宮市と清水区内のこども園にドッジボール120万円分を寄贈した。

「ここにこられることをモチベーションにやってきた。外で元気に遊んでほしくて贈った。こどもたちが喜んでくれた楽しかった」と、子どもたちともドッジボールで交流した。

今季はプロ10年目にして自身初のセーブ王に輝くなど、心身ともに充実したシーズンを送り「一番の目標を達成することができた。タイトルも取れましたけど、また来年以降も連覇にむかって一生懸命がんばっていきたい」と報道陣に語った岩崎投手。
そんな岩崎投手が訪問を終えてこども園を離れる際、筆者を見かけると「いやぁ、悔しいです…」とポロリ。日本一になったサウスポーが悔しがる理由はただひとつ、応援する地元のサッカークラブ・清水エスパルスのことに他ならない。岩崎投手はサッカーの名門校・清水東高校出身で、プロ入り後も毎年のようにプロ野球のオフシーズン、実家からも近い日本平スタジアムに足を運んできた。昨年も最終節の札幌-清水戦を生観戦したが、3-4で敗れJ2に降格を目の当たりにしていたが、今季はたびたびエスパルスの応援メッセージを送るなど、遠からず近からずのいい関係を続けてきた。

阪神のリーグ優勝を目前に控えた今年9月に筆者が取材した際も、清水の終盤戦の現地観戦計画をほのめかしたが「日本シリーズがあるから難しいかな…」と、自身初の日本シリーズに臨むことによって生まれたうれしい悩みを打ち明けていた。
そんな岩崎投手は11月5日、オリックスとの日本シリーズ・京セラドーム大阪のマウンド上で胴上げ投手となり阪神の38年ぶりの日本一に導いてみせたが、そのわずか1週間後の11月12日、その姿は茨城県水戸市のケーズデンキスタジアム水戸にあった。
スタンドにいた岩崎投手に声をかけると「来ちゃいました」と。聞くと当日、自宅のある関西方面から駆け付けたことを明かしてくれた。その清水は勝てばJ1自動昇格という大一番だったが、結果は水戸と1-1のドロー。4位でレギュラーシーズンを終え、昇格プレーオフに回っていた。

水戸戦と同じく勝てば昇格という12月2日のプレーオフ決勝。「現地観戦したんですか?」と尋ねれば「いけなかったんですよ、結婚式で」と、友人の結婚式と重なったため現地観戦は叶わずも、「DAZNで見ていました、式中に」と岩崎投手。おのずと出た「悔しいです」の一言の重みは、目前で昇格を逃したオレンジサポーターの表情そのものだった。

(静岡朝日テレビアナウンサー・片山真人)

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