【大規模買収事件】元広島県議が控訴審で「無罪主張」 町議は失職

河井克行元法務大臣から現金を受け取ったとして、有罪判決を受けた元県議の控訴審が始まり、改めて無罪を主張しました。一連の買収事件をめぐっては、2023年11月、上告を棄却された町議が失職しています。元県議の佐藤一直被告は2019年の参院選を巡り、河井克行元法務大臣から買収目的で現金30万円を受け取ったとして、2023年7月、罰金20万円などの有罪判決を受けています。佐藤被告は、これを不服として控訴。12月5日、広島高裁で開かれた控訴審の初公判で、弁護側は現金の受け取りを認めたうえで、「買収の認識はなかった」として改めて無罪を主張しました。一連の買収事件では、2023年11月、矢立孝彦元安芸太田町議の有罪判決が確定し、町議を失職しました。矢立元町議は河井元大臣から現金20万円を受け取ったとして1審と2審で有罪判決を受け、最高裁に上告。2023年11月、上告が棄却され異議を申し立てていましたがこれも却下されました。事件を巡り被買収の議員が失職したのは初めてです。

■矢立孝彦 元太田町議

「自らの意思によってそれ(現金)を受領したものではないということは、常に申し上げておりましたから、1審、2審、最高裁を含めて非常に不服、不満があります」

地元議員ら12人が争った裁判では、これまでに広島地裁が全員に有罪判決を言い渡しました。このうち9人は、いまも裁判が続いています。一方、2021年に懲役3年の実刑判決を受け服役していた河井元大臣は、11月29日、栃木県の刑務所から仮釈放されました。

【2023年12月5日 放送】

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