元西宮市議の経費二重受給疑惑、市議会が不正有無の調査始める 市民オンブズも解明要求 兵庫

西宮市役所=西宮市六湛寺町

 NPO法人「日本防災士会」(東京都)の副理事長を務めていた元兵庫県西宮市議の大石伸雄氏(75)が、東京などへの交通費を法人と市議会の政務活動費(政活費)から二重に受け取っていたとされる問題で、市議会事務局は5日までに、政活費の不正支出がなかったか調査を始めた。法人に大石氏への交通費の支払い実績を照会し、11日までの回答を求めている。

 市議会事務局によると、照会しているのは大石氏が副理事長に就いた2017年度から退任した23年4月までの15件。収支報告書や添付資料に、支出目的が日本防災士会の活動である旨が明記されているものを対象とした。

 一方、二重支給が疑われるケースは、21、22年度だけで18件あることが法人の内部監査で明らかになっている。市議会事務局は「支出が適正だったか可能な限り調べる。必要に応じて調査対象を広げる」と説明。二重支給が確認された場合、政活費で負担すべき支出以外については返還を求める方針という。

 また市民オンブズ西宮は4日、山田増人議長あてに「疑惑の解明」を求める申し入れ書を提出した。大石氏が防災士会の役職にあった全期間の政活費を点検するよう求めている。(山岸洋介)

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