「地べたにしゃがんで食べるのは禁止」当局は強行、ネットでは「良いではないか」の声も―四川省

四川省涼山イ族自治州(涼山州)当局は、住民のしゃがんで飲食する習慣を是正する考えだ。それ以外にも、自宅内を整理整頓しないと罰金を取る地域がある。

四川省涼山イ族自治州(涼山州)当局は、住民のしゃがんで飲食する習慣を是正する考えだ。それ以外にも、自宅内を整理整頓しないと罰金を取る地域がある。しゃがんで飲食する習慣については、ネットユーザーから「他人に迷惑をかけるわけでもない」として容認すべきだとの投稿も寄せられているが、当局は「悪習の改善」を断固として貫く方針だ。

中国には「網格員」と呼ばれる行政担当者がいる。地域に密着して管理や住民の支援を行う職務で、例えばごみ収集関連、施設の補修、地域のイベントの調整などを行う。インターネットに寄せられた投稿によると、この網格員が個人宅に何度も入ってきて、地べたでの「しゃがみ食い」をやめさせるという。涼山州に属する西昌市精神文明事務室の職員は、「古い悪習を正すためだ。地べたにしゃがみこんで食事をするのは文明的でなく、不衛生だ。規則ではテーブルを使って食事をすることが求められている」と説明した。

多くのネットユーザーは当局側の方針に反発する投稿をした。涼山州の住人というユーザーは「しゃがんで食事をするのが私たちの慣習だ。どんな姿勢で食事をするかは個人の自由ではないか」と反発した。それ以外にも「他人に悪影響を及ぼさない。正す必要があるのか」、「外でしゃがんで食事をするのは確かによくないが、自宅内でも管理するのか」「管理の範囲が広すぎるのではないか」などの投稿が続いた。

ただし「現地の具体的な状況を知らないのに、むやみにコメントすべきではない」と指摘するユーザーもいる。

ネットでは、住民の生活についての罰金を定めた一覧表の写真も公開された。台所でしゃがんで食事をした場合の罰金は20元(約410円)と記載されている。台所以外の行為も、場所をトイレ、客間、寝室、屋外に分類した上で、掃除をしていなかったりベッドの掛け布団を乱雑にしていた場合など、それぞれ3-10元(約62円-210円)の罰金が定められている。

西昌市精神文明事務室の職員は、罰金の一覧については「多分、『社区』の規則だろう。住民が議論した上と思う」と説明した。「社区」とは小さな地域やマンションの住民で構成される組織で自治会のような性格があり、日本では「コミュニティー」と紹介されることもある。

同職員は、「しゃがみ食い」を禁止した主な理由は衛生面を配慮したことと改めて説明した。山間部の住人がしゃがみ食いをした際に地面に食器を置くことがあり、その際に地表に残っているふんなどによって衛生面に悪影響が出ていたという。涼山州が「しゃがみ食い」を禁止することを正式に発表したのは2022年7月だった。

涼山州のやり方を疑問視するのは、一般庶民だけではない。中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)の著名キャスターである白岩松氏は「入室検査をして罰金を科すことは、村民のプライバシー権を侵害するのではないか。違法な法執行の疑いがあるのではないか。これは小さなことではない。どんなによい動機に基づく措置であれ、合理的で合法的でなければならない」と論評した。(翻訳・編集/如月隼人)

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