ロゴ一新&LMGT3導入のヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、2024年は43台が出場へ。日本人は3名

 11月30日にシリーズの新しいロゴを公開したELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズは、来る2024年シーズンに向け、12月4日付で暫定シーズンエントリーリストを発表した。

 WEC世界耐久選手権では今季2023年シーズン限りで廃止となったLMP2クラスをピラミッドの頂点に据え、その直下にLMP2プロ・アマ、さらにLMP3とLMGT3が続く計4クラス構成となる欧州シリーズは、各クラスとも10台前後のエントリーを集め総エントリー数は43台に。さらに、リザーブリストにも3つの待機チームが並ぶなど37台のフルグリッドがすべて埋まった世界選手権と同様に、スポーツカーレースの盛況ぶりが反映されたエントリーリストとなっている。

 ELMSは、先週末マレーシアのセパン・サーキットで開幕したAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズと同じく、各カテゴリーのチャンピオンにル・マン24時間レースの“自動招待権”が付与されるチャンピオンシップだ。すでにカレンダーが発表されているとおり2024年は4月14日にバルセロナ(スペイン)で開幕し、翌月のル・キャステレ(フランス)、7月のイモラ(イタリア)と転戦してシーズンを折り返す。

 後半戦は8月のスパ・フランコルシャン(ベルギー)からスタートし、初開催のムジェロ(イタリア)を経て10月19日に行われるポルティマオ(ポルトガル)でシーズンのフィナーレを迎える予定だ。

■日本人ドライバーは現時点で3名

 4日付けで公開された暫定エントリーリストを確認すると、トップカテゴリーのLMP2クラスにはディフェンディング・チャンピオンであるアルガルベ・プロ・レーシングをはじめ、強豪チームのユナイテッド・オートスポーツやIDECスポール、パニス・レーシング、さらにはロレンツォ・フルクサ/マルテ・ヤコブセン/宮田莉朋組を指名したクール・レーシングなどお馴染みのチームが並ぶなか、アイアン・リンクス・プロトンや、ロバート・クビサを登録しているAO・バイ・TFといった興味深いコラボレーションチームの姿も。

 同クラスは最多14台がエントリーしているが、いずれのチームも『オレカ07・ギブソン』のパッケージを選択しており、来季も“実質ワンメイク”の状態が継続される模様だ。これはLMP2プロ・アマクラスも同様で、8チームから出場する8台すべてが同一パッケージとなっている。

 10台のマシンが並ぶLMP3クラスでは、王者クール・レーシングなど大多数のチームが『リジェJS P320・ニッサン』のパッケージを用意した一方、ルクセンブルク籍のDKRエンジニアリングと、ドイツ籍のWTM・バイ・リナルディ・レーシングは『デュケーヌM30・ニッサン』を投入する。

 2024年のELMSは、WECに倣うかたちでGTE規定車に代わりFIA GT3カーを用いた新しいGTカテゴリー“LMGT3”が導入される。この新クラスには11台がエントリーした。その過半数はフェラーリ296 LMGT3によって占められ、そのうちの一台をケッセル・レーシングの木村武史がドライブする。

“跳ね馬”以外ではポルシェ911 LMGT3 Rとアストンマーティン・バンテージAMR LMGT3が2台ずつ出場予定で、最後の一台はアイアン・リンクスのランボルギーニ・ウラカンLMGT3エボ2だ。このウラカンは濱口弘とふたりの未発表ドライバーによってシェアされる。

 現時点でエントリー枠に入っているチームが万が一、参戦を見合わせた場合に繰り上がりで空きスロットに入るため、リザーブリストでは3チームが待機中だ。この内のふたつはLMP3チームのグラフ・レーシングとニールセン・レーシング。3つめはドラゴンスピードUSAで、参戦クラスはLMP2プロ・アマとなっている。

トップカテゴリーのLMP2クラスは14台での戦いに。マルチメイクシリーズではあるが、2024年もオレカ07・ギブソンのパッケージが揃った
LMP2プロ・アマクラスも全車がオレカ07・ギブソンのパッケージに。こちらは8台がエントリーしている。
10台で争われるLMP3クラス。このカテゴリーではリジェJS P320・ニッサンのパッケージが大勢を占めるなか、DKRエンジニアリングとWTM・バイ・リナルディ・レーシングがデュケーヌM30・ニッサンを選択した。
WEC世界耐久選手権と同様に、ELMSでも2023年限りでGTEカテゴリーが廃止に。2024年からはFIA GT3カーを用いるLMGT3クラスが導入される。その初年度は11チームから4車種がエントリーしている。

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