先月25日のJ1第33節ヴィッセル神戸対名古屋グランパス戦で、神戸が2-1で勝利してJ1初優勝を果たした。
今季はリーグ戦34試合22ゴール7アシストで得点王を勝ち取った元日本代表FW大迫勇也の活躍が目立つが、大迫以外にも優れた活躍でチームを常勝へと導いた選手たちがいる。
今回は神戸をリーグ初制覇に導いた実力者5選手を紹介する。
初瀬亮
ポジション:左サイドバック、右サイドバック
神戸の初優勝に大きく貢献した初瀬亮は今季目覚ましい活躍を見せた。今季は左サイドバックでリーグ戦33試合1得点8アシストとDFでは最多アシストを記録。左足から繰り出されるフリーキックはスコットランド1部セルティックなどで活躍した元日本代表MF中村俊輔さんのフリーキックを彷彿とさせる。
プレースキック以外にもビルドアップの攻撃構築、局面の流れを一気に変えるサイドチェンジ、超高精度ロングフィードなど流れの中でもゲームメイクやチャンスメイクに大きく関与しているため、数字以上の貢献を披露。
今季は左サイドバックを主戦場に27試合に先発したが、チーム事情で右サイドバックを6試合こなすなど、チームの穴を埋める器用さを見せてディフェンスラインを支えた。フィールドプレイヤーではチーム2番目の出場時間を記録するなど、日本を代表する万能型サイドバックへと成長した。
佐々木大樹
ポジション:左ウイング、右ウイング、インサイドハーフ
今季リーグ戦22ゴールで得点王の元日本代表FW大迫、10ゴール10アシストの元日本代表FW武藤嘉紀の活躍が目立つが、下部組織出身の佐々木大樹が今季リーグ戦33試合7得点2アシストと飛躍のシーズンを過ごした。
吉田孝行監督の意図を理解して行動に移す戦術理解能力の高さにも秀でており、サイド、インサイドハーフと異なるポジションでも高い質で難しいタスクをこなしている。守備時でも強度の高いプレスで、相手ボールホルダーに激しくプレッシャーをかけ、敵のパスワークを乱すための献身的な動きも卒がない。
Qolyでは今季絶好調の佐々木にインタビュー取材をしており、インタビューでは主に大迫のプレーから多くの学びを得たと明かしている。他にも興味深いエピソードが満載のため、インタビューは一読の価値がある。将来的には日本代表選出、欧州クラブでのプレーを志している神戸アカデミーの星の輝きから目を離せない。
武藤嘉紀
ポジション:右ウイング、左ウイング、センターフォワード
今季34試合10得点10アシストとリーグ唯一の二桁得点&二桁アシストを達成した優勝の立役者は、無尽蔵の運動量と迫力のあるスプリントでサイドやゴール前で違いを作り出し続けた。
フィールドプレイヤーではリーグ戦2913分出場とチーム内最長出場選手として君臨するなど鉄人ぶりを発揮。複数ポジションをこなす活躍を見せて神戸のアタック面を支え続けた。
先月12日の浦和戦後に精密検査を受けた後に肺裂傷、肺挫傷と診断されたという武藤は、次節名古屋グランパス戦に出場して決勝点を決める活躍を披露。心身ともにボロボロの中でチームを優勝へと導いた。
酒井高徳
ポジション:右サイドバック、左サイドバック、ボランチ
今季は三面六臂の働きで神戸の堅守を支え続けた酒井の活躍がなければ神戸のリーグ初制覇は達成できなかった。ときには右サイドバック、ときには左サイドバックとチーム事情に合わせてサイドを変えて攻守に存在感を見せた。
山口蛍が負傷離脱した際は、ボランチに入って中盤で激しい球際の攻防を見せた。ドイツ時代に中盤の底をプレーしていた時期はあるが、緊急出動であっても本職顔負けの球際の攻防、バランスの調整など高度な個人戦術を披露した。
高徳塾という言葉があるように後輩らを叱咤激励する親分肌の一面があり、若手の面倒見の良さが話題になっている。若手たちもしっかり育てて、リーグ優勝に貢献する姿は理想の上司そのものだ。
山口蛍
ポジション:ボランチ、インサイドハーフ、アンカー
主将としてのキャプテンシー、縦横無尽にピッチ上を駆け抜ける体力と走力、屈強な外国籍選手にも当たり負けしない球際の強さなど獅子奮迅の活躍を見せて神戸のリーグ初優勝に導いてみせた。
時折見せる鋭い弾丸ミドルシュート、二列目からの飛び出しなどシュートセンスにも優れているため、攻撃面でも計算ができる。ピッチ上の薄い部分に顔を出すサポートや酒井、武藤とトライアングルを形成する連係など、何人分の仕事をしているのか分からないくらいの働きぶりだった。
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リーグ終盤戦は負傷離脱する時期もあったが、しっかり名古屋戦に出場してノエビアスタジアム神戸でシャーレを天に掲げてみせた。サポーター思いの一面もあり、ワイルドなイケメンであることから男女問わずサポーターがメロメロになっている。