新作ゲーム『グランド・セフト・オートVI』のトレイラー映像全般にトム・ペティの曲が起用

Tom Petty - Photo: Samir Hussein/Getty Images

超人気ゲームの最新シリーズ『グランド・セフト・オートVI』の第一弾トレーラー映像に、トム・ペティ(Tom Petty)の「Love is a Long Road」が全編にわたって使用されている。

<YouTube: Grand Theft Auto VI Trailer 1>

「Love is a Long Road」は、1989年4月24日にリリースされたトム・ペティのファースト・ソロ・アルバム『Full Moon Fever』に収録曲として知られている。

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが1987年に発表し、のちにプラチナ認定を受けた7作目のスタジオ・アルバム『Let Me Up (I’ve Had Enough)』の後、トム・ペティは長年のバック・バンドであったザ・ハートブレイカーズとの活動を一時休止し、伝説のロックバンド、トラヴェリング・ウィルベリーズに加入した。

ボブ・ディラン、ジョージ・ハリスン、ロイ・オービソン、ELOのフロントマン、ジェフ・リンらも参加したトラヴェリング・ウィルベリーズのデビュー・アルバム『The Traveling Wilburys Vol.1』は全米アルバム・チャートで3位を記録し、300万枚以上のセールスを記録。

一方でトム・ペティは、『The Traveling Wilburys Vol.1』のレコーディング・セッションに入る前から、次のアルバムはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズではなくソロ名義になることを発表。この物議を醸す決断は、ザ・ハートブレイカーズの間で複雑な感情を引き起こしたと言われているが、ドラマーのスタン・リンチを除くバンド全員が、最終的に彼のソロ・デビュー作に貢献した。

リラックスして控えめではあったが、『Full Moon Fever』のセッションは創造性の温床でもあった。主にリード・ギタリストのマイク・キャンベルのガレージ・スタジオでレコーディングされたこのアルバムは、トム・ペティ、マイク・キャンベル、ドラマーのフィル・ジョーンズ、プロデューサーのジェフ・リン(ベースと巧妙な質感のキーボードを担当)というコア・メンバーによってそのほとんどが制作された。

しかし、残りのザ・ハートブレイカーズのメンバーに加え、風変わりなロック曲「Zombie Zoo」で短いカメオ出演しているロイ・オービソン、アルバムからのファースト・シングル「I Won’t Back Down」でギター演奏と決定的なヴォーカル・ハーモニーを披露しているジョージ・ハリスンといったトラヴェリング・ウィルベリーズのメンバーもゲスト参加を果たしている。

強気で反抗的な歌詞とキャッチーなメロディーが特徴の「I Won’t Back Down」は全米シングル・チャートで最高12位を記録し、この曲の成功により、アルバム『Full Moon Fever』はマルチ・プラチナへの道を歩むことになった。

また、マイク・キャンベルの印象的でジグザグとしたリフに後押しされた、デル・シャノンを彷彿とさせるロードトリップ・ソング「Runnin’ Down A Dream」は、瞬く間に全米トップ30にランクインし、ノスタルジックな「Free Fallin’」は最高7位のヒットを記録した。

Written By Will Schube

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